2-8
「な、何言ってんの……?」
声が震える。
今まであたしと筒井くんの間に立って、色々応援してくれていた遠藤くんがそんなこと考えてたなんて……。
さっきまで強烈な快感を与えられ、それを受け入れていた自分の身体に吐き気が込み上げてきて、思わず口を押さえた。
「……お前が好きだからに決まってんだろ」
「え?」
「お前が好きなんだよ! だからお前を奪ってやりたくなって、こんな風に騙してたんだ!!」
怒ったようにあたしを睨みつける遠藤くんの、まっすぐな瞳は、今まで見たこともない真剣なものだった。
「嘘……」
「嘘じゃねぇよ。ずっとお前のこと好きだったけど、全然眼中になかったろ? だから今までずっといいお友達でいたけれど、もうダメだった。今日が最大のチャンスだと思うと、どうしてもお前を一度でいいから抱きたかった」
ストレートに言われて、なぜかまた身体が熱くなる。
ずっと、いい同期、いい友達でいたと思っていた遠藤くんがあたしをそんな目で見ていたと思うと、身体の奥が熱く疼いてしまった。
ふと、目線を下に下げれば、シャツのボタンを全て外された婦人警官の衣装。
そこから覗く黒いレースのオープンランジェリー。
いつもと違うセックスに身体は悦びの悲鳴を上げて、何度も達したけれど、それはコスプレやエッチな下着のせいよりも、違う男に抱かれていたからだったのだ。
顔を上げれば、上半身裸の遠藤くんの引き締まった身体が目に映る。
細身で色白の筒井くんと違って、日焼けした褐色の肌に筋肉で引き締まった太い腕、さらにはシックスパックのお腹が目に入った。
あたし、この人に散々恥ずかしいことをされていたんだ、と思うとこんな深刻なシチュエーションなのに、身体が疼きだして、下唇をそわそわと触り出した。