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まつりのあと
【女性向け 官能小説】

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3-8

遠藤くんが、何もなかったように振る舞ったのが面白くない?


あたしばかりが、気持ちを乱されているのが不公平?


筒井くんという、とても素敵な彼氏がいるっていうのにあたしはとっても欲張りなのかもしれない。


席に着いた遠藤くんは、電話を終えた筒井くんと笑顔で言葉を交わしていた。


友達の彼女とついさっきまでセックスしていたのに、平然と笑い合える遠藤くん。


かたやあたしは、心の奥底で遠藤くんからの何らかのアプローチに恐れつつ、期待をしていた。


だけど、それは単なる思い過ごし。


お祭りが終わった後、どうにも寂しさでやるせなくなることがあるけど、まさに今のあたしがその状態。


一方、無邪気に筒井くんと笑い合っている遠藤くんは、現実に戻ってきたのだ。


ハロウィンという特別な夜に魅せられて、普段なら決してはみ出すことのなかったレーンをはみ出してしまったあたし。


ハロウィンという、お祭りは終わったのにあたしだけがまだ余韻を引きずっている。


ずっとあたしを好きだったって言ってたじゃない。


コッソリ遠藤くんを見ていたら、一瞬だけ目が合って、そしてすぐ目を逸らされた。


その態度で、あたしは全て知ってしまった。


きっと、彼もまたハロウィンという特別な夜に魅せられて、いつもと違う自分という、心にまで仮装していたのかもしれない。


そうか、お祭りは終わったんだ。


そっと目を伏せて、キュッと下唇を噛み締める。


手には筒井くんの御守り。


現実に戻ったあたしは、すがるようそれを握ってから、パソコンの画面に向き直った。








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