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まつりのあと
【女性向け 官能小説】

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1-9

「筒井のやつ、喜ぶだろうなー。亜沙美が自分の事を思ってセクシーなコスプレしてくれるなんて」


「……まだセクシーなカッコするって決めたわけじゃないんですけど。ってか、その前に筒井くんがハロウィンに乗り気かどうかもわからないのに」


「ああー、それは大丈夫。コスプレしたお前が、筒井の家に行って『Trick or Treat?』ってすれば、もうその場で筒井はお前を押し倒す……待てよ」


何かを思いついたらしい遠藤くんは、一人で何度も頷いてから徐にこちらを向いた。


「亜沙美、ハロウィンの夜はお前ん家でやるのは大丈夫だろ?」


「うん……、それは大丈夫だけど」


あたしの家、と聞いた瞬間、料理はどうしようとかケーキはどこで買おうかとか、食べ物のことがすぐ頭に浮かぶ。


「どうせなら、筒井に『Trick or Treat?』ってやらせようぜ」


「えー? 筒井くんが仮装って、あまり乗り気にならなそー」


っていうか筒井くんの仮装姿自体想像がつかない。


モンスターになり切ってお菓子をもらいに訪ねるなんて、そんなガラじゃないだろう。


今頃必死にパソコンと格闘している筒井くんの姿を思い浮かべるとフフフと勝手に顔がにやけてきた。


「そこはオレがうまく言っておくからさー。お前の家に仮装した筒井が行ってさ、『Trick or Treat?』って言ったら、お菓子上げるの断れよ」


「え、そこはお菓子上げるもんでしょう」


「だから、断るのがミソなんだよ。ハロウィンでお菓子がもらえなかったら仮装した子供達はどうする?」


「……イタズラするんでしょう」


確かテレビかなんかで見たことがある。


大抵はお菓子を用意していて、仮装した子供達が家をまわるとTreatしてくれるのだけど、いじわるでお菓子を上げないとTrick……つまり“イタズラしちゃうぞ!”ということで壁に生卵ぶつけたりの結構えげつないイタズラをするのだ。


訝しげに遠藤くんを見ると、彼はどこか悪だくみをしているような笑みでこっそりあたしに耳打ちする。


「筒井にエッチなイタズラされたら、興奮しねえ?」



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