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長い夜は湯煙と共に
【SM 官能小説】

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神は福引のガラガラを回すか-3

「助かった……」

僕はほっと胸を撫で下ろした。どうやらモデルさんも、途中下車してまで痴漢一人を捕まえるほど暇ではなかったのだろう。いや、僕は痴漢でも何でもなくて、ただの冤罪なのだが。
念のため、僕は駅構内には戻らず、駅前からバスに乗って別の駅まで移動し、そこから温泉宿を目指した。あんなことがあった以上帰った方が無難なのかもしれないが、前にも言った通り僕はひねくれ者だ。冤罪なんかのために旅行を中止してたまるかと妙な意地を張っていた。それに、あれほどの美人ならたくさんの男に縁があるはずだ。僕みたいな餓鬼のことなんて、小一時間もすれば頭から消し飛ぶだろうと高をくくっていた。
その後、予定よりはやや遅れたものの、僕は無事温泉宿の最寄りの駅に着くことができた。迎えに来てくれたバスの運転手さんに遅参を詫び、宿まで乗せてもらう。乗客は僕一人だった。バスが信号で停まったとき、運転手さんは僕に、

「お客さんは運がいいですよ。今日はお客さんの他に一組しかお泊りの方がいらっしゃいませんから、貸し切りみたいなもんです」

と言ってくれた。

宿はさほど大きくも新しくもなかったが、風情のある木造で僕には満足だった。何しろタダ券をくれるぐらいだから、多少オンボロでも文句は言えないと思っていたのだが、全くそんなことはなかった。女将さんの話によると、今日はたまたまお客さんが少ないらしい。
荷物を下ろし、和室で料理に舌鼓を打つと、温泉に入ることにした。ここの温泉は男湯と女湯と混浴があり、混浴は水着を着て入るルールだ。あらかじめそのことを聞いていた僕は、競泳用の水着を準備してきていた。まあもちろん、女性と一緒に入るようなシチュエーションを期待はしていないが、せっかくあるお風呂に入らないのも勿体ない。

混浴は室内風呂と露天風呂があったが、まず露天風呂に入ることにした。競泳水着を着て肩まで浸かる。温泉の温かさと、顔に感じる冷気のコントラストが心地よかった。

(今日は僕の他に一組しか来ていないみたいだから、ここも貸し切りかな……)

そう思ったとき、足音が聞こえた。誰かが来るらしい。
ただでさえ、露天風呂は灯りが乏しい。その上温泉から立ち上る水蒸気は一月の冷たい空気に冷やされて急速に湯気になり、視界は悪かった。入って来た人がかかり湯を終え、湯船に浸かって来るときになって、ようやく体のシルエットが見えた。顔はよく見えないが、水着を着た背の高いお姉さんだ。

「どなたかいらっしゃるんですね。失礼します」

やはり女性の声だった。こちらに近づいてくるにつれて少しずつはっきり見える。僕はドキリとした。
何故かと言えば、お姉さんが身に付けている水着が、あまりにも常識とかけ離れたデザインだったからだ。
一応白のビキニではあるのだが、上下ともほとんど紐というか糸で構成されていて、布地が極端に少ない。
下はようやく割れ目が隠せるかどうかの大きさで、毛は全て剃っているようだった。幅は3センチもなく、今にも食い込んで、はみ出してはいけないものがはみ出しそうだった。
上はおっぱいの先端を覆う三角が、縦横5センチもなかった。まじまじと見たわけではないのでよく分からないが、肌と色の異なる部分がはみ出しているように見える。何しろ……お姉さんのおっぱいは片方がバスケットボール以上あった。乳輪もそれに見合う大きさであっておかしくない。
紛れもなく、童貞の僕には刺激が強すぎた。

「お隣、よろしいですか?」

お姉さんは気にする風もなく、柔らかな声で僕に尋ねてくる。僕は上ずった声で、

「は、はい、ど、ど、どうぞ」

と返事をするのが精一杯だった。
お姉さんが僕の隣に身を沈める。僕はなるべく彼女の方を見ないようにした。

(このままじゃ股間が反応する……その前に早く出ないと)

上がるタイミングを計る僕だったが、その前に話しかけられてしまった。

「初めましてですね。今日からお泊りなんですか?」
「は、はい……そうです」

返事をするときまで視線を逸らすのは失礼なので、ちらりとだけお姉さんの方を見やった。2つの巨大な白い乳肉が、マグロ漁の浮きのようにプカプカとお湯に浮かんでいる。お姉さんは体勢を少し変えて続ける。

「どちらからいらっしゃったんですか?」
「えっとそれは……」

答えようとしたとき、僕は重大なことに気付いた。お姉さんのおっぱい全部がお湯から上に出ているのだが、水着が3センチほどずれて上に行っていた。
たった3センチだが、今はその3センチが致命的だった。お姉さんの乳首が2つとも、晒されてしまっている。僕が生まれて初めて見る生の女性の乳首が、30センチほどの至近距離で水着による保護を拒否して、外気に露出していた。暗くて見えにくいが、乳首、そして乳輪の色は薄そうだった。

「あ……あ……」

どうしよう。指摘してあげるべきだろうか。しかしそれはお姉さんに恥をかかせることにならないだろうか。このまま僕は気付かないふりをして、お姉さんが自分で気づくのを待つべきでは? 僕の心は揺れた。

「どうかしましたか?」

お姉さんは全く気付く様子もなく、上体を動かす。乳首が剥き出しになった馬鹿でかい乳が、バルンバルンと重々しく揺れる。


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