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長い夜は湯煙と共に
【SM 官能小説】

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神は福引のガラガラを回すか-4

結局僕は指摘する勇気を出せず、当たり障りのない話題で場をしのぐことにした。

「あ、あの……お、お、お姉さんって、な、何してる人ですか? ぼ、僕は高校生の方をやらせていただいて……」
「まあ……私、どんな職業に見えますか?」
「え……? ええと、モデルとか……」

言ってから、しまったと思った。これではお姉さんの体を見ていたのが丸分かりだ。
でも、お姉さんの方は満更でもなさそうだった。

「まあ……そんな風に言ってもらえるなんて、お上手ですね。でも本当はただのOLなんですよ」
「そ、そうですか……」
「今日はここに友達と3人で来たんですけど、2人とも先に寝てしまって……女将さんも休んで、他の従業員の方も帰られたみたいですし、このままでいたら、どんなに大声を出しても、朝までここに私達2人きりですね」

ふふっとお姉さんは笑う。それがどういう意味なのか、僕には分からなかった。いくらなんでも朝まで入浴しているはずはないし、ここで騒ぐはずもないのに。

「…………」
「…………」

会話が一瞬途切れた。本当ならこの隙に抜け出すはずだったのだが、乳首を出してしまったお姉さんを放っていくのは気が引けた。それになにより、手遅れだった。僕の股間はしっかりと正常な反応を示していた。

(どうする……?)

迷っていると、またお姉さんが口を開いた。

「私の胸、やっぱり気になりますか?」
「え……あ……すみま……」

凝視してしまっていたことに気付き、慌てて謝ろうとしたとき、お姉さんはまた言った。

「いいんですよ。少しくらい見ても。こんなサイズですから、見られるのは慣れてますし……」
「は、はあ」

(今はサイズだけじゃなくて、その先っちょにも問題が発生しているんですけど……)
「見られるのが嫌なら、最初から混浴になんて来ませんし……あら、星が綺麗ですね」

そう言うとお姉さんは、立ち上がって僕に背中を向け、湯船の縁にある岩に両手をついた。僕の方にお姉さんのお尻が急角度で突き出され、ほとんどくっつきそうな距離にドアップになる。
お姉さんのお尻も、おっぱいに負けず劣らずたわわな肉付きだった。ウエストは折れそうなほど細く締まっている癖に、他はボリュームがとんでもない。
吸い込まれるようにお姉さんの爆尻を見ているうちに、また突発現象が起きた。お姉さんのビキニの下は左右で紐を結うようになっているのだが、その片側が解けて落ちたのだ。

(ひえっ……)

元からほとんど隠れていなかったお姉さんのお尻の割れ目が、完全に暴露された。
「あ、あ……」
「どうかしましたか?」

お尻に違和感を感じたのか、お姉さんが後ろに片手をやった。だが水着の異変を知るには至らず、逆にお尻の肉をかき分けただけに終わってしまう。その結果当然のように、一瞬お尻の穴と……その奥の最重要部分が見えてしまった。

(あうう……)

僕の股間は痛いほど反応していた。それを知ってか知らずか、お姉さんは僕に優しく言う。

「男の人は星よりお尻ですよね。見ていていいですよ」
「そ、それは……」
「男の人を誘惑するような無防備な格好でいながら、いざ見られると怒り出すような女とは、私は違いますから」
(どんな無防備な格好も、今のあなたには負けると思います……)

そう思った僕は、お姉さんに聞いてみた。

「で、で、でも、危なくないですか……? 見せてくれるのは嬉しいんですけど、あんまり無防備だと、襲われちゃったり……」

お姉さんは答えた。

「隙がなければ、襲われません」
「そ、そうなんですか……?」

僕の眼には、今のお姉さんはこれ以上ないくらい隙だらけに見えるのだが。

「はい……まあ気を付けていても、ちょっとお触りされるぐらいならあるかもしれませんけど、隙が無ければレイプまでされることはありえませんよ」
「な、なるほど……でもお触りされるのも嫌ですよね」
「もちろん嫌です。例えば私が、電車の中とかで痴漢に遭ったら、告訴して家庭崩壊するまで莫大な慰謝料を払ってもらいます」
「ひええ……」

お姉さんは時々何故か、腰を揺らす。半分外れた下のビキニがプラプラ揺れて、白い肌の上を白い紐が往復するが、気付く気配はなかった。
今、お姉さんの豊満な肉体は、文字通り手を伸ばせば触れられる場所にある。もし本当に触ってしまったら人生終了だ。僕はハンペンのようにプルプルと身震いした。

「は、はは……お触りでそれじゃ、レイプなんかしたら犯人死んじゃいますね……」

僕が乾いた笑いを上げて言うと、お姉さんは否定した。

「いえ、それはないです……」
「……え?」
「お触りならまだしも、レイプまでされてしまったら、それは私に隙があったということですから、むしろ自分を恥じます。泣き寝入りして一生胸にしまっておくでしょうね……」
「そ、そうですか……」
「そうです。むしろ私が隙を見せてしまった男の人の方が被害者です」

お触りなら告訴して、レイプなら泣き寝入りというのは基準としてどうなのかと思ったが、他人の価値観は尊重しないといけない。僕は頷いた。

「そうそう、私、ここに来る途中で痴漢に遭ったんですよ」

お姉さんは、不意に僕の方を向いて言った。

「ち、痴漢ですか……?」
「そうです。今度捕まえたら絶対に告訴して法外な慰謝料を取ります。本人に支払えなければ、家族から取り立ててでも……」
「そ、それはまた……」
「確か、背格好は貴男ぐらい……」

お姉さんが顔をずい、と近づけてくる。お互いの顔が接触寸前になり、露天風呂の暗さでもはっきり判別できるようになった。

「あ……」

僕は、思い出していた。
お姉さんは、間違いようもなく、今朝電車の中で不可抗力でくっつき逃げてきた、あのモデルさんだった。


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