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「柔らかな鎖」
【SM 官能小説】

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「柔らかな鎖」-11

某月某日
 やっと日記を書くことができる。この1週間におきたことを思い出すのはものすごく辛いけれど、それでも書いておかなくてはいけないような気がしている。この先私がどういう道に進むとしても……。
 ことの発端は安野部長からの呼び出しだった。
「柿崎のことで重要な話があるから」
ということだった。由布さんに確認しなくては、と思ったのだけれども
「時間がないから」
と急かされ、指定された場所に行くと、安野部長はいきなり私を車に押し込めた。その後、勧められたウーロン茶を飲んだのだけれど、そこで記憶が一旦途切れている。多分その時に薬を飲まされたのだろうと思う。
 意識が戻ったときは、どこかのマンションの一室だった。私は裸にされ、縛られて、ソファに座らされていた。そばに安野部長がいた。
「何するんですか、こんな、こんな酷い……」
「柿崎がそんなにいいのか?」
 あのガサツだけど陽気な安野部長とは別人のような顔だった。
「俺のほうがずっと前から小野寺に……響子に目をつけていたのに」
 股間に違和感があった。意識の無いあいだに既に犯されていたようだ。なんて卑劣な。私が足を振り上げて抵抗すると、安野部長は腰を前につきだした状態で足をソファのひじかけに固定した。一番大切な部分が露出されている。
「やめて下さい、お願い、やめて」
 私は懇願していた。こんなの酷すぎる。
 安野部長は、男の人のものの形をした道具(バイブっていうやつ?)を取り出すと、それを私のあの部分にあてがって、刺激しはじめた。私は身動きのとれない状態でされるがままでいるしかなかった。そのうちに体が反応し始め、恥ずかしい声が出てしまうと、安野部長はいやらしい笑みをうかべて、その道具を私の中に突きいれた。
 女は悲しい。嫌なことをされているのに、私はそうやってイカされてしまったのだ。
 乱れた呼吸を整えようとしている私に、安野部長は
「小野寺、いいイキっぷりだったな。柿崎にもいつもそんな顔みせてるのか」
と言って、まだバイブが挿入されたままの私の姿を写真に撮った。
 それからバイブを引き抜くと、安野部長に犯された。一度イッてしまった後だったので敏感になっていて、安野部長に中出しされるまでに私は3度もイカされてしまった。
「どうだ、柿崎とどっちがいいか?」
「こんな卑劣なことをする人より、由布さんの方が1000倍もいいです」
 私が強気でそんなことを言ってしまったのが、安野部長を余計に残酷にしたようだ。

 すこし待って私の体力が回復してから(この間にも水を口移しで飲まされたりなどイヤなことはいろいろあったのだけど)安野部長はまたバイブを使い始めた。それまでと違っていたのは、私をイカせなかった……イカせてくれなかったことだ。
「お前がイク時はどういう顔をするのかわかったからな」
 安野部長はそう笑いながら、私がイキそうになる度に刺激を中断し、すこし落ち着くとまた再開する。何度かくり返されるうちに、私はもう限界になっていて、自ら……イカせてくれとせがむしかなくなってしまった。
「最初から素直に俺の言うことをきいておけばよかったのに」
「お願い……もう許して」
「俺の命令を聞けよ。そうしたらイカせてやる」
「言うとおりにします。だから……」
「柿崎と別れて、俺のものになれ」
「……それは……それだけはイヤ」
 それだけは絶対にできない、そう思った。思ったけれど……
 それから何度も同じことがくり返され、更にとどめとして安野部長は言った。
「さっきの写真と今の声のテープ、こんなのを柿崎に送りつけたらどうなるか?どのみち、もう柿崎のところへは戻れないんだ、響子」
私は屈服せざるを得なかった。弁解するつもりはない。全部自分の意思の弱さが招いたことだから。結局私は安野部長に言われるままに、由布さんと別れることを約束させられていた。それを聞いた安野部長は満足そうに、私が失神するまでイカせ続けた。

 その後3日くらいの間、私はずっと安野部長に犯され、辱められ続けた。くらい、というのは途中から時間の感覚がなくなってしまったのと、やっと解放されて自分の家に戻ってからしばらく寝こんでしまっていたからだ。大学へ行く気力もなく、携帯の電源も切ったまま。誰かが尋ねてきた気配があっても、玄関に出ることさえ出来なかった。
 やっといくらか動けるようになった今日、考古学サークルに退会の届けをFAXした。これも安野部長からの命令だ。
 明日になったら、由布さんにお別れを言いに行かなければいけない。おそらく私の人生にとって最悪の日になるだろう。


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