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「柔らかな鎖」
【SM 官能小説】

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「柔らかな鎖」-17

そのまま図書室に連れてこられた私は、由布さんに叱られた。
「響子、僕はそんなに信用できなかった? 僕が響子を許さない筈がないのに。最初から全部話してくれてれば、響子に悲しい思いをさせないで済んだのに……」
「由布さん、どうして……?」
「簡単だよ。僕がどのくらい響子のことを見てるかわかってる? 響子は安野さんといても全然幸せそうじゃない。前の……雪乃のことがあったから、安野さんが響子に何をしたのかはそれで想像がついた。で、和明に酒飲ませてちょっとカマかけたらあっさりと白状したんだよ、響子が安野さんから逃れようとしてるってこと」
 和明さんって、案外口が軽いらしい。
「でも……」
「響子が自分の意思で安野さんから逃れたいと思っているのでなければ、僕が助け出しても意味がないんだよ。わかる?」
「はい」
「響子が自分で決断して僕に『もう約束は守れない』と言った以上、僕にはそれを無理矢理覆させることはできない。響子自身が、自分の判断が間違いだったと考えてそれを取り消す意思を示すまではね」
「……」
「つまり、響子が僕のものだという意思表示をした以上、僕は響子を守るよ」
「……私、由布さんのものでいてもいいんですか?」
「今説明しただろ?響子が自分でそう思っているんなら、響子は僕のものだよ」
「由布さん……」
 由布さんは私の髪に手を差し入れると、ぐっと頭を抱き寄せてくれた。それから、
「愛してるよ。ただし、だ」
と例の物静かな口調でささやいた。
「罰を与えなければいけないね、響子」


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