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アゲハ
【その他 官能小説】

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レイラ-8

『ドラッグはどこから輸入しているの??中東?東南アジア?』
「君は知りたがり屋だな。それが身を滅ぼしかねない。」
『じゃぁ、あなたの会社の事でも教えて。』
私は退くことなく尋ねた。
「俺の会社は秘密主義でね。必要最低限な事以外は何も知らされない。きっと社の全てを知っているのは社長一人さ。」
『じゃぁその社長はだぁれ??』
「俺は会った事ないね。社長に会えるのはほんの一握りの幹部重役だけさ。」
私はどんどん溢れてくる好奇心を抑える事が出来なかった。
『あなたは重役じゃないの?』
「俺はせいぜい部長って所さ。」
『あなたが出世するのはいつかしら?』
「俺の出世を望んでくれるってのか。はははっ!!それは俺への好意からか?」
蓮がまっすぐ私を見据えた。
『勘違いしないで。あなたが出世すればあなたに見染められて仕事についた私にも上に行くチャンスがあるんじゃない?』
「かも知れない。だが君はまだアルバイトか契約社員って所だ。」
『ご心配なく。働き次第でいくらでもチャンスはあると思ってるわ。』
「たくましいな。」
『たくましくなきゃ今の世の中生きてけないわ。』
私も蓮を見つめ返し言葉を放つ。蓮に疑われず仕事をこなすには言葉1つにもボロはだせない。
「君自身が仕事で腕を証明出来れば君を俺の上司に紹介しよう。社員になるには常務の承認が必要だ。」
『その約束、忘れないで。』
「もちろん。優秀な社員をスカウトしたとなれば俺の出世も近付くだろうさ。」
蓮は煙草を灰皿に押し付けた。蓮自身の出世に話が及んでから、蓮はどうも機嫌が悪い。
『ねぇ、本当に出世を望んでる??』
「何故?」
蓮の目付きが少し優しくなった。
『なんだかあたなが出世を望む人には見えないのよ。』
「金に不自由はしていないが、俺も君と一緒で知りたがり屋なんだ。社の全貌を知るには出世するのが一番早い。」
私は目を閉じた。唇が塞がれた。蓮のコーヒーと煙草の香りがする舌を私は味わった。蓮の右手がバスローブの内側にのびてきた。昨夜とはまるでちがうジラすような動きで。
私の頭は思考を拒否した。
蓮が麻薬犯罪組織の人間であるという事も、私が麻薬取締官ではあるが、慣例や規則、規律を破り蓮の組織に潜入しようとしている事も。
今はきっと考えてはいけないときなのだ。
さざ波のような震えが体を駆け抜けた。
不意に蓮の手が止まった。
「嫌か?」
『違う。』
私は目を閉じたまま言った。蓮がソファの隣に移ってきた。その手の動きに身を任せ、心まで任せてしまわないように必死に気持を落ち着かせた。
蓮の手はバスローブの内側の私の肌を優しく労るように撫でた。空いた手で腰紐をほどき、バスローブをソファの下へと落とす。
私の肌を撫でる手は徐々に胸の膨らみへと近付き、丁寧な愛撫へと移る。
蓮の手の動きに合わせ、秘部が潤いを帯る。私の潤いはとめどなく溢れ、蓮を求めていた。
「俺の為だけに働いてくれ。」
不意に蓮が口にした言葉が私に重くのしかかる。

―私は蓮に嘘をついて騙していかなければならない。

罪悪感に潰されてしまいそうだ。
だが、すぐにそんな事を思う余裕すらなくなった。
蓮は私の秘部の割れ目を指でなぞり、果実の熟れ具合いを確かめる。
私がうっすらと目を開くと蓮の顔がすぐ近くにあった。互いの熱い吐息が感じとれる程に。
再び塞がれた私の唇は蓮の舌を味わうだけでなく、私の方から蓮の唇を求めた。


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