投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アゲハ
【その他 官能小説】

アゲハの最初へ アゲハ 42 アゲハ 44 アゲハの最後へ

レイラ-40

『1つ教えて…。私を愛していると言ったのも………、芝居だったの??』
私は聞いた。
もし、その言葉さえも任務にあたる蓮の芝居だったとしたなら……。

「言っただろう。君は俺から離れる事は出来ない、根拠は俺と君の中にある、と。答えは俺と君が同じ潜入捜査官という立場という他にも、もう1つあるだろう??」
『私の心に浮かんだ答えとあなたの心にある答え、一緒かしら?』

―もし2つの答えが同じだったなら……。
わたしは蓮と出会ってからずっと、それを願わずにはいられなかった。
「一緒さ、俺達は出会った瞬間から互いに惹かれあった。そして同じ時を過ごすうちに、俺達の間には紛れもない愛が生まれただろう?それが答えだ。」

嬉しかった。
一度は失う覚悟をした存在だったはずの蓮が、再び私の手の届く場所に存在する事も。
その蓮が私と同じ気持でいてくれた事も。

『そうね、私達は最高のパートナーだもの。』
今度は私の方から強く蓮を抱きしめた。
「なぁ玲良、君の上司からケースを受け取らなかったか??革で出来たサイフ位の大きさの。」
『あなたからだったのね!?』
私はすぐにそのケースを取り出すと、スライド式になっている蓋を開いた。
中には2つの封筒が収められていた。
「南国行きのチケットさ。もう1つは小島のリゾートの予約チケット。君の怪我が治ったら、2人きりで行こう。」
『ありがとう。本当にあなたと行けるなんて……、夢の様よ。』


―蓮、愛してるわ。
―私にはあなたが必要なの。側にいて…。




時は過ぎ、
私は蒼く透き通った月夜の光に照らし出された白い砂浜にいた。
隣には欠けがえのない蓮がいる。
「玲良、愛してる。君に誓うよ、もう君に嘘はつかない。」
『ええ、私も愛してるわ。私も、もうあなたを欺きたくない。』
私は蓮と共に生きる事を選んだ。
「日本に帰ったら休暇も終りだな、忙しくなりそうだ。」
『あら?最高のパートナーと一緒に仕事が出来るってのに、乗り気じゃない訳?』
そう、私は今、厚生局麻薬取締部からINCへと出向している。蓮のパートナーとして。
「嬉しくて仕方がないさ。君とならどんな敵にも負ける気がしないね。」
『そうね、私達ならきっとやれるわ。』


INCへの出向が決まった時、私はあの摘発から逃れたフールとアゲハを、必ず私自身の手で追い詰める事を決意していた。

ただ、私1人の力でどうにかなる物ではないだろう。相手は巨大な麻薬密造組織なのだ。
だが、蓮がいればそんな巨大な組織を相手に戦う事も、不思議と可能だと思えた。

それが何処から溢れてくる自信なのかはわからなかったが、確かな事は私にも蓮にもお互いが必要という事。

『ねぇ蓮?』
「どうした?」

『あなたは私から離れる事は出来ないわ、根拠は私とあなたの中にある……。忘れないで………。』
「あぁ、俺はずっと君の側にいよう……。」

―END―


アゲハの最初へ アゲハ 42 アゲハ 44 アゲハの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前