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アゲハ
【その他 官能小説】

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レイラ-4

私は目を閉じた。やられるより仕方がないだろう。
男の体重は重く、蹴られて痛めたあばらに足をかけられているせいで身動きがとれなかった。下半身を剥き出しにした男は私の髪をつかんだ。
「お前のせいで俺は大分苦労させられたよ。」
体重が消え、かわりに頭を床に叩き付けられた。意識が遠のく。
体を再び四つん這いにさせられ、後ろから熱い塊が私の秘所にあてがわれた。
私は貫かれるのを覚悟した。だが惨めさも怒りも無かった。ただぼんやりと、いつこの男を殺すチャンスが訪れるかだけを考えていた。
何か熱い物が私の背中にふりかかった。そしてあてがわれていた熱い塊が消えた。
背中にふりかかった熱い物は血だった。私は体を転がし振り返った。
切り裂かれた喉に手を当て、ぶざまな格好の男が体を泳がせていた。背後にどこかで見たことがある東洋人の姿があった。
「………………」
口を開け、言葉を押しだそうとした男の喉が鳴り、喉の裂目で血が泡立った。
男はゆっくりと体を倒し、痙攣してから絶命した。
私は横たわったまま、東洋人の男を無言で見上げた。東洋人は無表情だった。手にしていたナイフを死んだ男の上着で拭い、刃を畳んだ。
『手錠の鍵が何処かにあるはずだわ。探してくれない?』
やがて私は言った。声がひどくかすれていた。
東洋人は死んだ男の上着から鍵を見つけだすと、私に放った。私は左手で手錠を外した。手がどうしようもなく震えていた。
私を助けた東洋人は以前にも私を助けたコルベットの男だった。
「知り合いか?それとも只の強姦か??」
男に尋ねられた。男がどんな人間か解らない限り麻取であることは明かせない。逆に犯罪に荷担する人間の振りをしていた方がこの場では自然な気がした。
『この男から仕事を受けたの。』
「運び屋か?」
『そう。』
口からでまかせだった。しかし、何か思い当たる節があったのか東洋人は納得したようだ。
「この男は泥棒だ。俺の会社から商品を盗んでは勝手に売り捌く。君が運んだのもきっと俺の会社の商品さ。俺はこの泥棒を殺す社命を請けてここに来た。しかし、たまたま部屋には犯され、殺されそうな美女がいて、その美女の命を救った。」
ふざけた口調で男が言った。やはりこの男は犯罪に身を染める人間だったのだ。
『こいつがこんなにケチだとは思わなかったの。あたしは只の運送屋だけど、もらうものもらえないと生きてけないわ。』

―もうどうにでもなれ。

私は腹をくくった。最後まで運送屋を演じきってみせる。!
「運びの腕に自信はあるか?」
『何なの?あたしに仕事でも頼む気?』
男は頷いた。
「昔から、本物は見ればわかるんだ。」
『何の本物よ、ナンパだったらお断りよ!』
「それも魅力的な事だが、うちは今人材不足でね。こいつみたいに踏み倒す事もない。大きな会社だ。」
『どうだか。』
「とりあえず、話だけはきいてもらおう。俺は君の命の恩人だ。」
男は言いながら私の脱いだ服を拾い私に渡す。
「場所を移そう、おれは蓮だ。君は?」
『レイラ。』
「やはりロシア人か。」
私の名前とこの顔をみてそう判断したようだ。私は全裸で蓮を見返していた。自然と言葉が口をついた。
「ここを出る前に私を抱いてくれない??震えが止まらないの。」


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