投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アゲハ
【その他 官能小説】

アゲハの最初へ アゲハ 12 アゲハ 14 アゲハの最後へ

レイラ-10

『―――あなたが不良だったってことが充分わかったわ。』
昨夜とは全く違う方法で私に接した蓮に私は言った。
蓮は女の体を扱い慣れている。散々翻弄した後、蓮は私にこの上ない快楽をもたらした。
「これで貸しはなしだ。俺は俺のやり方で君を抱けた。」
『どちらも嫌いじゃないわ。』
私は蓮に微笑んだ。
「俺は……相手によるな。」
『なるほど、腐るほど女がいるわね。』
「少し素直になってきたな。」
『何が?』
「その言葉にはヤキモチが含まれている。」
『嫌な男!』
蓮は微笑んだ。そして掌が私の手を包んだ。
「君がただのつっぱりじゃなくてほっとした。」
私ははっとして蓮を見た。
『ただのつっぱりに見えた?』
「最初に会った時は。」
『つっぱりが好きなのかと思ったわ。』
「つっぱって、つっぱって、その内側がかいまみえる時が好きなんだ。どこまでいってもただの鉄の塊なら御免だ。どんな美女だとしても。」
『嫌味でも何でもなくて、私より綺麗な女はごまんと見てるでしょ?』
「綺麗で尚且つ、一緒に仕事をしたいと思った女はそうはいない。」
私はソファから起き上がった。昨日しまった服を取るためにクローゼットへ向かうと蓮が私の腕を引き、再びベッドへと私を戻そうとする。わたしはその手を払いクローゼットへ行くと服を着けた。
『仕事はいつから??』
「そんなに熱心になってくれて嬉しいよ。そうだな、今日からやってみるか。」
そう言い蓮も服を身に付け始めた。
『具体的な説明はないのかしら??』
「実際に1度、説明しながらやってみせるさ。出来ない、無理だ、少しでもそう思ったならすぐに辞退してもらって構わない。その代わり、君はその時から俺の飼い猫だ。」
『それは御免だわ。』

蓮は服を着け終えると携帯を取り出し何処かへ電話をかけ始めた。
<蓮だ。今日はお前に新しい担当者を紹介する。―――――あぁ、今回はちゃんと届けるさ。何せ俺も同行するんだからな。>
蓮が電話を切る寸前、若い女の怒鳴り声の様なものが聞こえた。きっと電話の相手はアゲハだろう。
「行こうか。」
蓮に従いホテルをチェックアウトする。地下駐車場へエレベーターを使って降りると、昨日止めた場所と全く同じ場所にコルベットはあった。
「まずは運転技術を見せてもらおうか。まさかマニュアルは駄目なんて言わないよな?」
『バカにしないで。コルベットだろうがダブルクラッチのアストロだろうが問題ないわ。』
蓮に渡されたキーでロックを解き、エンジンを始動させる。

コルベットでのドライブは実に快適だった。首都高から郊外の田舎道まで私は問題なくスピードを上げて走った。
「合格だ、そろそろ仕事に入ろうか。築地近くの港に俺達の会社の倉庫がある。そこまで行ってくれ。」
『そんな東京のど真ん中で麻薬の取引?!』
「そうだ。」
蓮はそれ以上何も答えようとはしなかった。
蓮の指定した倉庫に着くと、蓮がポケットからリモコンキーを取り出し巨大な倉庫のシャッターを開けた。
倉庫の中にコルベットを進めると中は2重扉になっており、その扉は蓮が何処かに電話をする事で中から開けられた。
1つ目の扉をリモコンで閉め、2つ目の扉をくぐる。そこには目隠しのように保冷トラックが10台程列び、その奥では何人かの人間が忙しく荷物を運んでいた。
「蓮さん!今日はどうするんです??」
エンジンを止めコルベットを降りると、荷物を運んでいた1人が此方に近付いてきた。
「通常通りさ。」
そう言う蓮は倉庫の奥へと進んで行く。
「レイラ、銃は扱えるか??」
問題はない。麻取でも警察と同様に射撃訓練があったのだから。
『ええ。』
倉庫の一番奥にはコンテナが置かれていて、そのコンテナには銃火機が納められていた。


アゲハの最初へ アゲハ 12 アゲハ 14 アゲハの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前