投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

男子中学生の憂鬱
【学園物 官能小説】

男子中学生の憂鬱の最初へ 男子中学生の憂鬱 1 男子中学生の憂鬱 3 男子中学生の憂鬱の最後へ

冴えない兄-1

哲夫には兄が一人いた。高校生だった。哲夫と違い、運動好きで、今はウエイトトレーニングと太極拳に凝っていた。何を始めても長続きしなかった。アニメとゲームも好きで、太極拳はその影響から始めたのだった。女に縁のないところは哲夫と同じだった。高校生より中学生のほうが美しいといつも言っていた。
この兄はアニメの女の子の絵ばかり集めて部屋に貼り、どうやらその絵を見ながら自慰しているらしかった。ごみ箱はいつもティッシュで一杯だった。そこから漂うにおいは勿論、哲夫の部屋と一緒だった。
兄が始めてすぐやめてしまったヨガには哲夫も関心を抱いた。たくさん買った兄の本を読みながら、見よう見まねでやり出したのが数ヶ月前である。ポーズと瞑想をした後に、他では得られないほど心が静寂で、体がしっかりするのを哲夫は感じた。
ヨガは哲夫の生き方の指針になっていったが、独学のせいなのか、始めた期間が早いためか、性欲を治めることには繋がらなかった。それを除けば、ヨガは哲夫の真面目さや倫理観に対し、確かな影響を与えつつあった。

手紙を書いて一週間ばかり、イリーナは哲夫に近づかず、目も合わせないふうだった。
ところがある朝、哲夫は机の中にイリーナからのメモのような返事を見つけた。
「名塚君へ お付き合いがダメだって書いてなかったけど、OKって思っていいのかな? 男子も大変なんだね。名塚君のことを考えてあたしもオナニーしました。女子のことなら何でも教えてあげるよ。あと、あたしは男子の体のことも結構詳しいつもりだから、困ってることがあったら言ってね。土曜日、うちに来ない? PS: あたしは生理まだです。イリーナ」
女子にも性欲はあるのだろうかと哲夫は高鳴る胸に顔を赤らめながら思った。

何をやっても続かなかった兄の太極拳が次第に形になって来ているのに哲夫は驚いていた。兄にしては長く、もう一年も道場に通い、毎日練習に励む姿に哲夫は感動していた。兄の曰く、先生の指導が良いのだそうだ。体つきがスリムに変わっていくのがまた兄には嬉しいらしい。アニメとゲームをやめることはなかったが、その程度は減ったように見えた。
「気」を感じるなどと言い始めた兄の雰囲気は確かに変わってきていると、傍目にも分かるのだった。ならば自分はヨガにもっと打ち込もうと哲夫は励まされた。食事はなるべく菜食にし、しかも一日二食とした。ポーズと呼吸法と瞑想の時間も伸ばすことにした。
それでも、性欲のほうは相変わらずであった。イリーナから、土曜日の返事を聞かれたとき、ついでにハンカチのことにも触れられた。哲夫がまだ使っていると答えると、そんな物すぐ捨てられるよとイリーナは照れながら口ごもった。この言葉にある含みを聞き取った哲夫は、想像を膨らませて、土曜日が待ち遠しさに毎晩手でしたばかりか、夢精も止まらなかった。


男子中学生の憂鬱の最初へ 男子中学生の憂鬱 1 男子中学生の憂鬱 3 男子中学生の憂鬱の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前