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ミロスラワの場合
【アイドル/芸能人 官能小説】

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舟橋正仁(まさひと)の場合-1

ミロスラワは差出人の名を見て驚いた。まず目を疑ったものだが、字体からもそれが先生であることは明らかだった。舟橋は、細身の中年で、社会科の教員である。気が弱そうな男だった。クラスに教科を教えに来ている以外、ミロスラワと特に関わりもなかった。自分の行動が教員に知られ、現場を押さえる一つの手口かと思ったけれども、文面は違っていた。自分は変態性欲を持った人間で、子供にしか惹かれることがない。人生に流されて教員などしているが、これは自分の傾向のためではない。だが、周りを対象に囲まれながら何もできない環境にいて苦しくてならない。今、この手紙を君に書いたことで、自分は罪に問われるかもしれない。それでも、自分の苦しみが終わることは、恐らくこの先もないのだから、目の前にある機会を逃したくない。おおよそ、そんな内容であった。
ミロスラワは混乱した。そして恐れた。教壇に立っているような、言わば近くて遠い特殊な大人が、性欲などを持っている。性欲とは、何か、存在全体を襲われるかのような、不気味な情熱なのだとミロスラワは直感した。怒りなどとは性質のまったく異なるグロテスクさがあった。
脚の震えが止まらなかった。築いてきた心のありようがこの手紙に震撼させられているのをミロスラワは感じた。そして不安とともに、生来の深い同情の思いが激しく波のようにうねり出して、少女の目は眩んだ。


保健室のベッドでミロスラワは夢を見た。それは、人の夢を外から見ているという変な夢だった。座った僧侶がこちらを向いてうつむいている。その僧侶の前の床板に、出したばかりらしい男の証拠が溜まっている。僧侶は裾をまくってまた手に握った。上を向くと、皮が追いつかなくなっていて痛むようだ。僧侶は皮を戻すのを諦めて、慣れないやり方で続けるつもりらしい。終わった僧侶は座ったまま居眠りを始めた。まくれた裾から見えている物が、また硬くなってきた。眠っている僧侶は、眉間に皺を寄せて、我慢しようとしているようだった。僧侶の後ろには大きな仏像が立っていた。千手観音だった。僧侶の夢に、その千手観音が現れた。千手観音は僧侶の信仰の対象だったのである。全裸の僧侶が、硬いままの男を隠しもせず、ただうろたえていた。観音の背が僧侶より低くなり、腕が二本になった。ついに観音は、まばゆく光を放つ裸の娘になった。娘が僧侶を抱きしめた。僧侶は、温かな光と体温に包まれて、自分に娘の全部が与えられていることを知った。僧侶はそこで目を覚ました。衣服を整えると、観音像に向かい合掌した。
ミロスラワも目を開けた。ミロスラワは、保健室の天井を見ながら、自分にある決意が沸き起こるのを感じていた


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