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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 補習C 〜-2

 ここに至り、自分が置かれている状況がはっきりわかる。 この補習は、糞便に顔をつけるかどうかが主題ではない。 問われているのは、汚物にまみれて窒息するか、事態を打開できるかなのだ。 補号たる私が彼女を助けることはない。 30番自身が『規定の方法』で現状を変える以外、いくら待っても助けなどこない。
 
「……」

 助かる道。 要は、汚物を容器の外へ出しつづければいいのだ。 容器から汚物がなくなれば、いずれ背筋が力尽きても、顔が汚物に埋もれて窒息することはなくなる。
 ではどうすればいいか。 口に汚物を含んで、外に吐き出せばいいのか。
 そう簡単にことは運ばない。容器回りは高い壁に覆われており、顔をひねって口から便を吹きだしてみても、結局は容器の中に戻るだけだ。

 『規定の方法』……それは、尊厳を捨ててなお困難な手段。 少女は他人の汚物を、自らの口と食道と胃袋と、そして両腸を使って容器の外へださねばならない。 助けを呼ぶためではなく食するために口を広げ、口腔内に広がる嗚咽を呑み込み、連続する嘔吐を気力でねじ伏せ、重力に逆らい、汚物の消化というおぞましさに耐え、理性をたもって排泄しつづけ、股間に悪臭の山を築くことができれば――それには何十時間もかかるだろうが――少女はこの部屋を後にできる。 そこまで自分を貶めることで、初めて補習の成果を認められる。

「……」

 少女が20何回目に顔を糞まみれにしたところで、私はモニターを切り替えた。 
 今回、私はどうすれば少女が部屋からでられるか、はっきりと告げたわけではない。 

『ゆっくりでいいから、規定の量を口にすること。食べ終わったところで反省を認めます』

 いつもならはっきり伝えるヒントだが、私の口を占拠する下着のせいで、曖昧に伝えたに過ぎない。 私には、自力で『糞便を食す』という結論に達する理性が、少女にあるとは思えなかった。 それはつまり、少女を待つ未来に悲観的ということだ。  
 
 苦悩し、苦悶し、苦闘する場面には見応えがある。 しかし無駄に泣きわめいて力尽きる情景には、哀愁と寂寥しかない。 平たくいうと、見ていて気持ちがいいものではない。


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