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鮑売り
【その他 官能小説】

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鮑売り-4

(4)


 目の前で行われたセックス!
ぼくの若い性はぱっくり割れた噴火口のように欲情のマグマを絶えず噴き上げるようになった。学校帰りには必ず店の見える所で様子を窺った。ひと月ほど経っておばさんの行動がわかってきた。毎日でかけるわけではなかった。
 あの小屋に行く時の相手は早田のおじさんと弟の伸介、それに伸介と一緒に舟に乗っている信男という男の3人だけであった。どういう経緯で関係が出来たのか知る由もない。日は決まっておらず、それぞれ月に一度か二度、おばさんとセックスをしていた。それぞれ必ずお金を渡していたが金額まではわからなかった。

 信男は若者である。中学の先輩で、まだ二十歳になっていなかったと思う。
彼のセックスが一番激しかった。たわわな乳房に顔を埋めて泣くように声を上げて乳首にむしゃぶりついた。
「ああ、信ちゃん、感じるよぉ」
おばさんもおじさんたちとは受け止め方がちがっていた。脚を絡めて全身で応じていたような体の反応だった。
 信男とする時はコンドームを着けないことが多かった。
「ああ、出た、当たるよぉ」
射精したのがわかるのか、気持ちいいのか、ぼくにはわからなかったが、おばさんは信男には特別やさしかった。
「もう一回いいよ」
終わると荒い息遣いの信男に言う。
「お金ないんだ」
「いいよ。サービスだよ。寝てごらん」
そうして仰向けにした信男のペニスを握る。
「まだ硬いね。若いんだね」
顔を寄せて咥えた。上下に動くその行為は床に転がったライトの仄明かりに影のように浮かんだ。

「おばさん。おまんこ見せてくれ」
「ああ、いいよ」
おばさんは懐中電灯を持つと横になっている信男を跨ぎ、しゃがみ込んだ。
「どうだい?」
「すごいね……」
「すごいか?」
「うん。……鮑みてえだ……」
「鮑か。昔は赤貝っていわれたな。値が上がったな。あ、さっきの垂れてきた。信ちゃんのだぞ」
おばさんは後ろ向きなのでぼくからは見えない。
(ああ……)
 陰部の妄想がのた打ち回って、ぼくはたまらずペニスを扱き立て、呆気なく果ててしまった。


(おばさんとセックスがしたい……)
信男との行為を何度か覗き見るうちに本気で考えるようになった。
 おばさんは若いほうがいいらしい。ぼくの方がもっと若い。
(お金を持っていけばやらせてくれる……)
いくら払えばいいのだろう。見当がつかないまま、ぼくは貯金から下ろした一万円をポケットに忍ばせて学校へ行くようになった。

 しかし、そんなことを言えるはずはなかった。
(おばさんから言ってくれないものか……)
欲望が突飛な設定を作り出す。
 ぼくの勃起したペニスを見ておばさんは目を輝かせて言う。
『英樹ちゃん。もう大人なのね』
皮もだいぶ剥けてきたし、精液もいっぱい出るよ。
『おばさん、若い人好きなのよ』
ぼくもおばさんが好きだ。おばさんに会うと硬くなっちゃうんだ。
『嬉しいわ。お金なんかいらないから入れてちょうだい』
その前に、フェラチオしてくれる?
『ああ、おばさんもしたいよ』
舌が蠢く口が開く……。

 幾度となく店の前を通り過ぎてはまた引き返した。
シャッターはすべて閉まっている日が多くなり、そのうちいつ通っても開いていることがなくなった。
 両親の声をひそめた話を聞いたのはその頃のことだ。
(おばさんが妊娠した……)
「まさか、あの齢で」
「ほんとうみたい。見る人が見ればわかるわよ。体の調子や様子で」
「だって、いくつだ?」
「40半ば、過ぎてるかしら」
「相手は誰なんだ?」
「なんか、いろいろあったらしくてわからないみたい」
「なんだそれ」
「噂があるのよ。けっこう関係があったらしいわ」
 地元から離れた病院へ行ったらしいという。
「産むわけにはいかないからね……」

(信男だ……)
ぼくは鈍い衝撃の中で考えながら、それでも現実感に乏しい事態に距離感を感じていた。

 おばさんが店を開けたのはそれから三月ほど経ってからである。ケースには干物以外の魚も並び、刺身の盛り合わせまで売られていた。
(魚をおろせるようになったのか?……)
 ぼくはまた以前のように店を訪れるようになった。おばさんがあの漁師小屋に行かなくなったからである。
(なぜか……)
推測だが、両親の話を踏まえて考えてみると、誰かに知られて噂が立ったということだろうか。そこに妊娠の話が加わった。だからもう小屋は使えなくなった。きっとそうだと思った。
 そうだとするともうセックスはしないのだろうか。

 帰りがいつもより遅くなったある日、通りかかるとおばさんがシャッターを閉めるところだった。
「こんばんは」
おばさんは明らかに驚いたようだ。振り返ってぼくだとわかると咄嗟に顔を歪めた。笑ったつもりのようだったが
「あ、英樹ちゃん……」
慌てたおばさんを見るのは初めてである。

「学校の帰りかね。高校生だったね」
話しながら、シャッターにかけた手を離さず、
「暗くなってきたから気を付けて帰りなよ」
体は店の中に入ったままだ。
「水槽に鮑いるの?」
「いや…いないよ…もう採ってないから」
「また、見たいな」
おばさんの顔は少しきつくなった。
「もう採れないんだよ。だから、水槽は使わない。近々捨てちまうさ。じゃあね」
シャッターがぼくを追い返すようにけたたましい音を立てて閉められた。
(怖い……)
そう感じさせるおばさんの目つきだった。
 中から男の声が聴こえた気がした。
(誰かいる……)
今度はここが『あの場所』なんだ。……
それから少しして、店の魚は伸介と信男が持ってきていることを知った。
 
 

 

  




 


  


 


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