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LADY GUN
【推理 推理小説】

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聖戦の場所へ…-4

 警察が薫子救出に尽力している最中、車を運転していた若菜は携帯を取り出し電話をかけた。携帯は個人的なもので2台めのものだ。警察の仲間にも親にも言っていない。その携帯で若菜は電話をかけた。
 「高梨愛理は見つかった?」
警察は高梨愛理の身柄確保に動いたが結局見つけられなかった。若菜の電話をかけた相手は中島探偵事務所を引き継いだ工藤だ。若菜は工藤に高梨愛理の捜索を依頼していたのであった。
 「てか朝から電話してんのに出ないんっすもん!!電源切れてるし!」
 「ごめんなさい。充電切れて。でも大っぴらに充電できなくてやっと充電したから。で、どうなの?」
 「いや、それがヤバイ状況っすよ。刑事さんの仲間の麻薬捜査官の女の人、多分連れ去られましたよ?」 
 「えっ!?杏奈さんが…!?」
緊張が走る。
 「あの高梨愛理って女、只者ではないですね。相当の武術レベルですよ。一緒にいた男性刑事をケチョンケチョンにやっつけて女麻薬捜査官さんを車に押し込んでそのまま逃走しました。タクシーつかまえて追ったんすけど、高速で振り切られました。常磐道に向かったようですが…。すみません。」
 「いえ、だいたいの居場所は分かったわ。杏奈さんが連れ去られた情報だけでも助かったわ。ありがとう。お礼は後でたっぷりと。」
 「抱かせてくれるんですか?♪」
 「ンフッ♪抱かせてあげたくてもどっちにしろ無理そうだから諦めて。」
 「??」
まぁ抱かせてくれる訳がないのは分かっていたが意味が良く分からなかった。
 「じゃあありがとう工藤さん。」
 「いえ、刑事さん、死ぬなよ??」
 「なるべくね。」
そう言って電話を切った。若菜は高速を降り向かったのは何と中央署だった。そして中央署近くの路地で待つと1人の女性署員が車に近づいて来た。
 「上原さん、頼まれたものです。」
現れたのは青少年課の青山あかねという婦警だった。あかねは当時婦警だった姉を田口にレイプされた。それを苦に自殺するという辛い過去を持つ女性だ。あかねは姉を奪った田口に強い恨みを持っていた。そんな田口を逮捕しようと必死で頑張っている若菜にいつしか自分の恨みを晴らす事を若菜に託したいと思うようになった。それを告げた時からの付き合いだ。
 若菜はあかねに頼み事をしていた。若菜は以前隙を見てもう一つのLADY GUNが保管されている銃庫の鍵を持ち出し合い鍵を作った。それをあかねに渡していた。そしていよいよ田口の背中を捉えた時にあかねに持ち出してくれと頼んでいた。そしてその時が来た。工藤に電話する前にあかねに電話をかけていたのであった。
 「上原さん、姉の仇…お願いします。」
LADY GUNを手渡すあかね。
 「必ず仇は討つわ。」
受け取る若菜。そしてあかねは最後に言った。
 「上原さん、ご無事で…」
若菜はニコッと笑い手を振り答えた。
 「それは約束できないわ。」
そう言い残して若菜は車を走らせて行った。


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