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LADY GUN
【推理 推理小説】

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上原若菜-1

 「待ちなさい!」
閑静な住宅街、男を追いかける女刑事の姿があった。上原若菜…大卒の新人刑事だ。先輩の皆川静香と麻薬密売の捜査をしている途中に住宅街の公園で売買している現場を目撃。麻薬らしき物を受け取った客がいきなり静香に襲いかかってきた。応戦する静香は逃走する売人に気づいた。
 「上原!追って!!」
 「は、はい!!」
若菜は夢中で売人を追いかける。行けと言われて夢中で追いかける若菜だが、現場に出るのは初めてだ。もし相手がこちらに向かって追いかけてきたらきっと怖くて何も出来ないだろう。若菜は心の中で(お願い!もっと速く走って逃げて!!)と願ってしまう程にビビっていた。
 しかし、運良くというか悪くと言うか行き止まりに辿り着く。行き場を失った売人は振り返りポケットからナイフを取り出し若菜に向かい威嚇してきた。
 「来るんじゃねぇ、この野郎!!」
 「ひっ!」
若菜は急ブレーキで止まる。砂埃が立つ程にハイヒールを滑らせた。
 「殺すぞコラ!!」
 「む、無駄な抵抗は止めてお、おとなしくしなさい!」
犯人に叫ぶ若菜だが動揺は隠しきれない。犯人の表情に笑みが浮かんだ。
 「何だおまえ…ビビってんのか?ヒヒヒ。」
一瞬で若菜の状況を掴んだかのようにナイフを握る手を下げて馬鹿にしたような態度をとる。
 「ビ、ビビってなんかないわよ!」
 「ネーチャン、足が震えてるぜ?」
 「そ、そんな事分かってるわよ!…じ、じゃなくてそんな事ないわよ…!」
自分でも足がガクガクしているのは分かる。心臓がドキドキして体ごと震えてきた。
 「ネーチャン、ションベンちびってんじゃねーのか?俺が拭いてやるよ。へへへ、それとも舌でペロペロしてやろうか〜?」
いやらしく舌をペロペロさせた。
 「ふ、ふざけないでよ!!」
 「ネーチャン、可愛い顔してんじゃん?これブッて俺といい事しようぜ〜?気持ち良くイッちゃおうぜ?」
 「だ、誰があんたなんかとエッチするもんですか!」
 「は?誰もエッチしようとは言ってないぜ?へへへ、ネーチャン、スケベだなぁ?」
からかわれ顔を赤らめる。
 「お…お…おまえなんか…死んじゃえ!!」
 「はっ…?」
まるで子供の喧嘩の台詞のような言葉に犯人さえも唖然とした。
 「おまえ、本当に刑事か??」
 「よ、余計なお世話よ!!」
ちょろい…、そう思ったのか売人の表情が一変した。険しい表情で若菜を睨みつける。
 「悪いがテメーなんか相手にしてる隙はねーんだよ…。」
ゆっくりと若菜に向かってきた。


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