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LADY GUN
【推理 推理小説】

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聖戦の場所へ…-3

 所川署につき、大きなモニターでチャットライブを見た。すると間もなくパソコンを置いた田口がハサミを持って再び薫子に近づいて行く姿が映し出された。その瞬間、映像が激しく揺れた。
 「地震か…。でかいな。」
どうやら地震のようだ。映像中で画面が激しく揺れる。
 「地震?」
若菜が周りを見渡す。しかし揺れなど感じない。
 「揺れてないよな?」
石山も確認する。チャットのコメントでも同じような書き込みが多発する。
 映像の揺れが止まる。田口は気を取り直してハサミを持ち薫子のワンピースを胸元からゆっくり切って行く。
 「止めて下さいっっ!」
抵抗するがワンピースは切り裂かれてしまった。白の下着だ。胸は相当の膨らみだった。噂通りの巨乳にコメントが沸き立つ。
 「お前のオッパイ見たい奴ら、たくさんいるからな。ククク、見せてやろうぜ!」
 「止めて!!」
ハサミはブラジャーの胸元をチョキンと切った。
 プルンっとこぼれるように露わにされた薫子の巨乳。狂喜のコメントが濁流のように流れていた。
 薫子の胸がプルン、プルンと飛び出した瞬間、若菜は雷に打たれたかのような衝撃を覚えた。
(そ、そうか!!やられた!違う!私は騙されてる!!)
今まで感じていた違和感の謎が全て解けた。この犯行は自分が高田一家を奪った事に対しての答えだ。自分に対する復讐なら田口が最後に自分に高笑いするであろう場所は決まっている。若菜は田口と決着をつける時がようやく来た…そう感じたのであった。
 石山らは状況を確認しながらもチャットライブ中継を見続けていた。そしてふと気付く。
 「あれ?上原は?」
若菜の姿がない。すると近藤が答えた。
 「あ、さっき忘れ物をしたから車の鍵を貸してくれと言って出て行きましたが。」
 「忘れ物?どのぐらい前だ?」 
 「30分ぐらい前かな…。」
 「30分前…?」
嫌な予感がした。石山は乗って来た車両を確認しに急いだ。
 「な、ない!」
車が見当たらない。若菜が乗って行ったのは確実だ。慌てて若菜に電話するも電源が切られている。石山は中央署長に電話し車の位置を問い合わせた。しかし…
 「GPS装置が切られてて確認できません。」
 「くそっ!!どこに行ったんだ上原は!!」
目の前の車のボンネットを叩く石山。しかしそれは怒りではない。若菜が心配でし
ならないからだ。ここ最近、若菜から微妙な変化を感じとっていた石山。だからこそ嫌な予感がした。
 石山は若菜がいなくなった事をすぐさま連絡をした。所川近辺で捜査に当たる警察官にも連絡が届く。しかし発見には至らなかった。
 「くそ!この映像中に何か上原に気づかせる事があったはずなんだ!録画見れるか?」
 「はい!」
ライブ中継は任せて石山は始めから録画を見直した。
 ライブ中継は薫子がレイプされ終わったところどころだった。
 「薫子様は南大和市の大きな湖にある潰れたラブホテルにいる。この巨乳をモミモミしたい奴は警察が来る前に揉みに来いよ!次は由紀子様だ!ロイヤルビューティー最後の処女を奪う。ではまた!」
ライブ中継が終わった。
 「上原はそのラブホテルの場所が分かったという事か!?南大和警察署に連絡して現場に向かわせてくれ!」
連絡を受けた南大和警察署は直ちに現場に急行した。
 現場の廃業したラブホテルに薫子はいた。全裸で吊されていた薫子はロープを切られて押し寄せた暴徒化した男達に次々とレイプされていた。現場に駆けつけた刑事が体を抱きかかえるのも躊躇う程に全身精子塗れの状態であった。しかし若菜の姿はどこにもなかった。
 「このラブホテルに気づいた訳ではないのか…。一体どこに行ったんだ上原は!」
石山は焦る気持ちを拳に込めて机を叩きつけた。若菜の行方も気になるが、次の由紀子がレイプされてしまうと警察のみならず皇室にとっても一大事である。ネットには玲子と薫子の無残な姿が大量にアップされている。もはや社会問題になってしまった。マスコミからの問い合わせも後を絶たない。明日の騒ぎは目に見える状況になった。宮内庁からもプレッシャーをかけられている。警察は深刻な責任を背負ってしまったのであった。


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