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LADY GUN
【推理 推理小説】

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同じ穴のムジナ-4

 重苦しい空気の中、涼子が若菜に言った。
 「マズいわね…。あなたの気持ちが…、良く分かる…。私と似てる…そう言ったら失礼かな…?」
若菜はじっと涼子を見つめながら答える。
 「いえ、同じです。同じ過ちを犯そうとしているし、それにそれが過ちだと分かるちゃんとした思考能力もある。刑事としての心はちゃんとここにある。」
胸に手を当てる若菜。若菜と涼子の気持ちが通じた瞬間だった。
 「あなたは不思議な子だわ。どんどんあなたに引き込まれていきそう。いいわ?乗るわ?あなたの計画に、ね。」
ニコッと笑った涼子。それに触発されたのか、中島も顔を上げて言った。
 「今まで探偵事務所を立ち上げて、何となく探偵っぽい事をして満足してたのかもしれない。いなくなった猫を探してくれ…、浮気調査をしてくれ…、そんな下らない仕事をして探偵気分に浸っていたのかもな、俺は。だからこんな殺人事件が絡んでもどこか充実感を感じる。上原さんとつるんでると何か胸が躍るんだよね。平凡な生活に飽きてるのかな。今俺は何か意欲に満ち溢れてるんだ。乗るよ。俺も乗る!」
 「俺も!」
工藤も同意した。
 「本当にいいのね?今からは生きるか死ぬかのギリギリの毎日が始まるわよ?」
 「スリルあるぜ。後悔しないよ、上原さん。あんたの復讐の力になるよ。」
やる気と自信に漲っている中島と工藤。裏仲間と言うのだろうか。若菜にとって胸のお奥にずっとしまい込んでいた秘密の想いは仲間を得て、いよいゃ今解き放たれた。4人は自ずと歩み寄り手を合わせる。
 「私は許さない。田口徹を絶対許さない。警察に逮捕される前に私が田口の息の根を止める。」
 「力になるわ。」
 「俺らもな。」
若菜のメラメラと燃え上がる欲望を支える仲間。妙な絆が生まれた。


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