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野郎共のワールドカップ
【スポーツ 官能小説】

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衝撃の事実-3


結局、その夜は阿川さんのところへは帰らなかった。
顔を合わせづらかったのと、近藤さんのテクニックに翻弄され続けたからだ。
角田も二人、近藤さんの猛攻に一晩中やられ続けた。
腰がガクガクしてまとみに立てない。
だが、最後までゴールを決められる事は無かった。
「ゴールを決めるのが俺の役割じゃない、お膳立てするまでだ。」
近藤さんは自分の仕事に誇りを持っている。
俺のゴールマウスをこじ開けるのは阿川さんということだ。
事実を受け止めなければならないが、想像しただけで寒気がしてくる。
こんな目にあっても未だにサムライブルーはガチの集団だという事実を受け止めきれない。
阿川さんや近藤さん他、ほんの一部の人だけだと信じたかった。
なんとかして守り続けたいが、残り1カ月もあると考えると気が滅入る。
同じ境遇の角田先輩も同じだと思っていたが・・・。
「やっぱ近藤さん最高っす・・・。」
どうやら目覚めてしまったようだ。
俺はこれから孤独な戦いを強いられる。



俺の所持品はパンツのみ。
朝食はともかく朝の練習をこの姿のまま行く訳にはいかない。
なんとか部屋に帰って荷物を確保しなくては。
あいにく部屋のカギは持っていない。
阿川さんに開けてもらうしかない。
昨日の事があるからすごく顔を合わせ辛い。
ただ、このままフロリダで2週間過ごす訳にはいかない。
近藤さんの部屋を出て隣の自分と阿川さんの部屋を恐る恐るノックする。
ちょっと間があった後そっとドアが開いた。
「阿川さん、昨日はすいませんでした。」
とりあえず謝る俺。
悪くないんだろうけどとにかく謝ろう。
阿川さんを受け入れる事はできないけど、それでも憧れの人だ。
表向きだけでも普通に話せるようにはなりたかった。
「ウメ、どこに行ってたんだ?」
その声の主は種田さんだった。



昨日の夜、俺が出て行った後は種田さんが阿川さんの相手をしていた。
俺に出ていかれて阿川さんは自暴自棄になり散々荒れていたらしい。
電話でそれを知った種田さんがかけつけてくれたのだった。
阿川さんは涙で顔を腫らしながら今はベッドで寝ている。
「種田さん、すいませでした。俺のせいで・・・」
「いや、これはこれで良かったから気にしてない。」
種田さんもまんざらでは無かった。
やはり日本代表に選ばれる人はそっちの人なのか。
「しかし真一もビルドアップが強引すぎるんだよな。知らない相手なら出方を窺わないと。」
よくわからないが、俺を慰めてくれているのか?
「終わった事は仕方ない。大事なのは試合が終わった後、次をどうするかだ。」
次の試合は待ってくれない。
代表に選ばれる人のメンタリティーは高い。
こういうところは俺も見習わなくていけない。



本当に色々な事があった夜は終わり、朝食の時間になる。
阿川さんとは距離を感じたが、いつもと変わらないように振舞っていた。
元気そうだが、内面は意外と繊細らしい。
機会があれば俺から謝ろう。
そして練習の時間になる。
代表の練習はユースの練習と違って負荷は軽い。
その分要求されるプレイの質が違いすぎる。
みんなボールタッチがなめらかで柔らかい。
だが攻める時やここぞという時は一気に力強くなる。
そして普段は一緒にプレイしていないのに、ずっとチームメイトだったかのように息がぴったりだ。
俺は全然ついていけない。
旅の疲れもあるかもしれないが条件は一緒だ。
このレベルでプレイするのは俺には早すぎた。
ショックを受けた俺に川内さんが声をかけてくれた。
「お前はまだ若い。俺だってまだまだだ。もっと経験積んでいこうぜ。」
そう、俺にとって全てが経験だ。
今はダメでもいつかは追いついてやる。
4年後、8年後を目指して全てを吸収していくんだ。



練習では阿川さんと話す機会はないままだった。
遠くで見ていたが、香川さんは凡ミスを繰り返し調子が悪そうだった。
俺はちょっと罪悪感を感じる。
調子が悪いのは俺の責任に違いない。
練習中他のサポートメンバーと一緒に行動することが多い。
サポートメンバー組も含めて代表経験が無いのは俺と角田先輩のみ。
念のため、他のサポートメンバーに夜の話を聞いてみると。
「そういえば、お前阿川さんと一緒の部屋だったな。どうだった?ほんっと羨ましいぜ。」
こういう答えが返ってくる。
代表経験組ならばさも当然のように言ってくる。
フロリダ合宿中は部屋は固定。
阿川さんとずっと一緒の部屋だ。
仮に他の部屋に行っても結果は同じだろう。
近藤さんのところへ行ったからゴールは死守できたが他の人のところへ行ったらどうなっていたことやら。



練習が終わり一旦宿舎に帰る際、阿川さんの方から話しかけてきた。
「ウメ、すまん。」
「いえ、俺の方こそすいませんでした。いきなりの事でびっくりして。」
「いやいや、俺が悪いんだ。」
お互いが謝り合う。
俺も阿川さんも必死に謝る。
「・・・ウメ、俺と一緒の部屋が嫌なら変わってもいいんだぞ?」
いきなりこんな事を言い出す。
阿川さんの表情は苦しい。
俺は戸惑う。
阿川さんの事を考えると胸が苦しい。
他の代表を相手にするならやはり阿川さんがいい。
阿川さんのサポートがしたい。
心の奥底から想いがこみ上げる。
「俺、阿川さんがいいです!」
俺は想いのうちを告白した。
阿川さんは驚き、笑顔に変わる。
「ウメ、うれしい事言ってくれるじゃないか。」


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