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野郎共のワールドカップ
【スポーツ 官能小説】

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衝撃の事実-2

「ウメ、キックオフだ!」
阿川さんはそう言っていきなり俺の唇を奪った。
いきなりの猛攻に驚き、何も反応できず立ち尽くす俺。
巧みなボールタッチによりマイボールは瞬く間に支配されてしまう。
阿川さんの手や脚が俺に執拗に絡みつく。
なんとか反撃しようにも阿川さんの密着マークにより身体が自由に動かせない。
一方的な攻撃は続き、俺のゴールは陥落寸前だ。
「あ、あぅあ」
今まで出した事の無い吐息が漏れる。
これが世界トップの実力か。
余りのテクニックに一瞬我を忘れて身を委ねてしまいそうになる。
このまま為す術もないままゴールを割られてしまいそうだ。
ダメだ。
気持ちが切れたら負けだ!
反撃の糸口を掴もうと足掻いていると阿川さん自身を掴んでしまう。
彼は今にもシュートを打ちたくてウズウズしているのがわかる。
これを起点に攻めに転じた。
俺のワンタッチで阿川さんを促し、一気にシュートを放つ。
そのシュートは俺のゴールマウスを捕える事はできなかった。
しかし世界屈指のスピードを誇る阿川真一。
類い稀なる反応だったぜ。

なんとかゴールを守り切った俺。
しかし第一波は凌ぎ切ったがあのままゴール前での攻防が続けばいつしかペナルティエリアは突破され、俺のゴールマウスはこじ開けられてしまう。
そうなる前にシュートを放たせた俺のナイスプレイ。
その一瞬で俺はマークを掻い潜りシャワー室から脱出する。
このまま部屋にいれば再度笛が吹かれ仕切りなおされてしまう。
俺は急いでパンツだけ履いて部屋から逃げ出した。
しかし、阿川さんがガチだったなんて・・・。
あまりの出来事に気が動転した俺。
部屋には帰れない。
しかしパンツ一丁でうろつくわけにもいかない。
部屋割りも覚えていない。
阿川さんすぐにが追ってくるかもしれない。
なりふり構わず隣の部屋に助けを求めノックをした。

誰も出てこない。
それでも俺は悲壮感を漂わせながらノックを繰り返す。
ようやく重い扉が開いたと思ったら近藤さんが出てきた。
腰にバスタオルを巻いたスタイルで。
「なんだ?どうした?」
どうやら取り込み中だったみたいだ。
「すいません、でも少しの間中に入れてください。」
俺は返事も聞かずに半ば強引に部屋の中に入った。
するとそこでとんでもない光景を見てしまった。
ベッドの上で角田が全裸で身体を震わせていた。
「お前、見たな?」
勢いよく部屋に入った俺の後ろから近藤さんの怖い声が聞こえた。
へなへなとその場に座りこむ俺。
「終わった・・・何もかも・・・」

サッカー日本代表は「サムライブルー」と称されている。
サムライとはもちろん武士の事だ。
サムライブルーの戦場はもちろんワールドカップなど国を代表して戦う舞台である。
その戦場に女子供を連れて行ってはいけないのは武士の時代からの掟である。
ただ、戦場にいる期間は長い。
男達であるが故に抑えきれない欲望が湧いてくる。
古き日本人たちはその欲望を抑えるために一つの手段を用いていた。
それは小姓を連れていく事だ。
その習わしは現在にも受け継がれていた。
時代と共に舞台を変え、習わしも変化したが根本的には変わっていない。
戦場に赴いた熱き武士達は、より若い者達に自分の熱き思いを解き放つのだ。
その相手をするのがサムライブルーのサポートメンバーの真の仕事であった。

近藤さんが熱く語ってくれた。
にわかには信じがたいがワールドカップ3回目の大ベテランの発言だけに重みがある。
阿川さんも前回のワールドカップではサポートメンバーとして役割を果たしたらしい。
そこのベッドで寝ている角田も、近藤さんの手ほどきを受けていたようだ。
もう日本に帰りたくなった。
そんな俺の表情を見て近藤さんが続ける。
「おまえもいつかは日本代表に入るんだ。何も言わずに俺達のテクニックを盗め!」
そう言って俺をその道へと誘う。
近藤さんの緩急を巧みに使うボールタッチは俺の感覚を新たな境地へ導く。
これが日本一のテクニシャンの実力か・・・。
俺の身体全体を包み込み一番敏感なところを見つけ出しあらゆる引き出しを使って刺激する。
あぁ、俺はもう俺に戻れないのか・・・。
観念して身を委ねる。
こうして俺は日本を代表するテクニックを身体に染み込ませていった。

「真一がおまえをサポートメンバーとして推薦してきたんだぞ。」
全てが終わった後、近藤さんが教えてくれた。
「ワールドカップはなんとしてもお前と戦いたいってな。」
俺は真一さんの想いを受け切れなかった。
なんて失礼なことをしたんだろうか。
自分の愚かさに腹が立つ。
「しかし真一も相変わらずだ、スピードがあるのはわかるが急ぎすぎだ。アフリカの時から変わってない。」
近藤さんはそう話す。
「4年前に阿川さんの相手をしたんですか?」
俺は疑問を口にする。
「あぁ、当然だ。俺が手ほどきしてやったんだぜ。」
近藤さんは自慢げだ。
そういえば日本一のテクニシャンに前から聞きたかった事があった。
あまりに唐突だが今なら答えてくれそうだ。
「近藤さんくらいサッカーが巧い人なら海外でやっててもおかしくないと思うんですけど。」
「そんな野暮な事聞くなよ。」
過去に何回も聞かれているんだろう。
最後まで言わなくても察されてしまった。
「俺は日本の男子が大好きなんだよ。」


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