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野郎共のワールドカップ
【スポーツ 官能小説】

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旅立ち-1

今年はワールドカップイヤー!
16歳でユース選手の俺は見ているだけのはずだった。
他人事のように日本代表の活躍を楽しみにしている一人の少年である。
そんな俺にとんでもないオファーが舞い込んで来た。
なんと日本代表に選ばれたのだ!
と言っても代表候補でもないサポートメンバーの一員としてだが。
それでも4年に一度のサッカーの祭典
母国の代表に帯同して間近で雄姿を見れるとは何て光栄なことか
16歳の俺にとってはまさにダイヤモンドのように貴重な経験となるであろう。
そして4年後には代表の青いユニフォームを着てピッチに立つんだ!

俺の名前は梅林幸喜。
Jリーグの中堅チーム、ロゼッタ花尻のユースに所属する16歳だ。
ポジションはフォワードで最近ようやくレギュラーを獲得したばかりだ。
当然代表経験なんてもちろんない。
それどころか世代別代表ですら選ばれた事が無い。
一応、最近メキメキと頭角を現している若手の有望株として注目を集めつつある、とチームの広報は伝えている。
俺にとってそんな実感はなく、一試合一試合出来る限り結果を残す事しか頭になく我武者羅にやってきた。
小柄な俺は一瞬のスピードを活かし、マークを振り切るスタイルで今シーズンは調子良くゴールを量産している。
切れ味はトップチームでも通用すると、コーチにお墨付きを頂いている。
そのコーチは現在日本代表のエース、阿川真一を育て上げた名コーチである。
実は俺はコーチ繋がりで阿川さんとは知り合いで、今回のオファーはその辺りからの推薦という噂だ。
当のコーチは満面の笑みで「胸を借りるつもりで行って来い」としか言わなかった。
やはりコーチが絡んでいるとは思う。
だが、俺にとってもこの上ない名誉な話だ。
コーチに感謝しつつ、親や友人に報告し盛大に祝福された。

そして初めての海外、それがはるか遠く地球の裏側。
サッカーの国が俺を待っている。
海外行きの準備は両親とコーチが全てやってくれた。
俺は代表チームに合流しワールドカップ期間中一緒に行動するのだ。
少し前まで一般人だった俺にとってとんでもない待遇である。
空港まで親に送ってもらい、代表チームに合流する。
他の代表選手達と比べて未だに親に頼っている自分にちょっと恥ずかしい気もした。
だが代表のメンバーは家族や関係者達が盛大に見送りに来ている。
そりゃそうだ。
彼らは国を代表して戦う誇り高き戦士達だ。
国中が彼らの活躍を期待している。
俺とはスケールが違うんだ。
代表の人達は身体がでかい。
なんともたくましいのか。
ひょろひょろの俺は一緒にいるのが恥ずかしい。
自分以外のサポートメンバーも10代の選手もいるが、全てプロ選手だ。
場違い感が半端ない。
この先不安でしょうがない。
でもそんな俺にいきなり阿川さんが話しかけてくれた。
「よう、ウメ!久しぶり!」
阿川真一は日本代表の大エースだ。
そんな人に最初に声をかけられた俺は周りの注目を集める。
「ど、ども、イングランドでも大活躍ですね」
「なんだぁ、なかなか試合に出れない俺に対するあてつけかぁ?」
阿川さんは今年は絶不調で所属チームでもなかなか試合に出れない事もある。
今の阿川さんにとって触れられたくない事である。
失礼なことを言ってしまい一瞬しまったと思ったが、阿川さんの表情は笑っていた。
「ウメ、見てろ。俺のワールドカップにするぜ」
阿川さんはかっこいい。
男の俺でも惚れ惚れする。
そんな人の近くに居る事ができ、練習とはいえ一緒にプレーできるなんて俺はなんて幸せなのだろうか。

超有名人の阿川さんは代表でも引っ張りだこだ。
すぐに俺の元を離れ挨拶まわりをしている。
俺は他のサポートメンバーのところへ挨拶に行く。
サポートメンバーの仕事は代表チームの練習相手である。
自分が最年少だがそれ以外も20前後の選手達が5名選ばれた。
中には見知った選手もいる。
18歳になったばかりの現役高校生Jリーガー角田勇気だ。
高校生とは思えない恵まれたガチムチの体格を持ち将来の日本代表の屋台骨となりディフェンス陣を支えるだろうと言われている。
所属チームはハッスル万里で、我がロゼッタ花尻と同じ圏内にある。
いわばライバルチームだ。
彼のユース時代に何度も対戦し、圧倒的な壁として俺の前に立ちはだかってきた。
本当は顔を合わすのも嫌なくらいだが今は同じ境遇の仲間同士。
挨拶くらいはしておこうと思い声をかける。
「角田先輩、ちわっす。」
「ん?誰だ?サインならお断りだ。」
ほらこれだ。
サポートメンバーに選ばれた事で調子に乗っている。
俺もサポートメンバーに選ばれた事に気づいていないのか。
「なんだ、良く見たら梅林じゃないか。あまりにちっちゃいんで小学生かと思ったぜ」
「先輩、ひどいっすよ。俺もサポートメンバーの一員なんすから」
「まじかよ、お前なんかでも選ばれるのかよ。喜んで損したぜ。」
「俺の評価低いっすね。まあトップに上がったらすぐに逆転しますから」
「言っとけ、どうせお前は凄腕コーチのおかげだろうよ。良いコーチと先輩に恵まれたもんだぜ」
それは間違いない。
阿川さんやコーチがいなければ俺が選ばれる事は無かっただろう。
こんな糞みたいなやつと扱いが一緒なのは気に食わないが、早く代表に名を売って代表の常連になりたいぜ。
「しばらくはチームメイトになるんでよろしくお願いしますよ。」
「ああ、お互いな。」
ライバルと言ってもチームの最下層同士。
代表にいる間は出来る限り仲良くしておいた方が良いだろう。



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