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透明な滴の物語V
【同性愛♀ 官能小説】

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千帆の告白-3

麻衣は驚き、怒りはどこかへ吹き飛んでしまった。
「どうしたの?だいじょうぶ?」

千帆は大きくため息をついて答えない。
「千帆、なにがあったの?私、もう怒らないし…。こんなの、心配よ。なにか話したいことがあるんじゃない?」

千帆は、ぽつりぽつりと話し始めた。
「私ね、バレーボールの授業中に、みんなにバラしたの。麻衣が病院に行ったことを。麻衣が、便秘していたことも…。いけないことだけど、麻衣の便秘、保健室で知っちゃったの。だけど、聞かなきゃよかった…」
「聞かなきゃよかった…、って?私が便秘していたことを?どういうこと?」
麻衣には千帆の言いたいことが分からなかった。

千帆の表情が葛藤に歪む。
言い出しにくい。
しかし、それを言わなければ心の苦悶と曇りは取り除かれることはない。
それを言うためにここに来たのだ。
「お願いだから、怒らないで聞いてね。私ね、麻衣が病院で浣腸されたことを想像していたの。ずっと、この1週間。…実はね、私も同じような経験があるからなの。中学3年の時に」
二人は中高一貫の女子校で、今の高校2年にいたるまで同じ時間を過ごしてきた。
中学部時代に二人の接点はなかったが、麻衣は時間を引きもどされ、少し懐かしい気持ちになった。
「中学3年の時か…。うん、いいわ。怒らないから、教えて」
千帆は胸の内に隠しておいた苦しい過去を吐露し始めた。

※※※※

千帆は中学の時からソフトテニス部に所属している。
ソフトテニス部は、地区の強豪として知られ学校の看板だった。
学校はソフトテニス部を全面的にバックアップしていた。

夏休みには恒例の合宿があった。
高原のある県に学校が提携しているテニスコートと宿泊施設があり、10日間の強化練習に励むのである。



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