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透明な滴の物語V
【同性愛♀ 官能小説】

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ワインのあとで-9

「聡美ちゃん、もっと、こっちおいで」
二人は密着した。
佐和子は2本の指をゆっくりと、聡美の膣穴に埋没させた。
そして聡美の膣壁を擦るように出し入れした。
「ここから赤ちゃんの種を入れてもらうのよ…」
聡美の膣道をゆっくりと往復する母の指。
「そしてね、ここから赤ちゃんを産むの」
聡美は佐和子の胸に顔をうずめながら泣いている。
(愛されている)
そう思いながら聡美は泣いた。
遠吠えのような長い泣き声だった。
(私は、二人のお母さんから愛されている。いつまでも愛されている。そして、いつの日か、私もお母さんになる日が来る)

佐和子は自分のことを回想するように語り始めた。
「そうねぇー。聡美ちゃんも女の子を産むような気がするなぁ。私のように産後は便秘で苦しむかもね。そしたら看護師さんが浣腸で助けてくれるの。でもね。助けてもらったら、こんどは自分が助けてあげる番なのよ。聡美ちゃんの娘さんがウンチ出なくて苦しんでいたら、優しく浣腸してあげてね」
聡美は、幸せの涙を流しながら答えた。
「うん。分かった。約束する」
佐和子は聡美の背中を優しくポンポンと叩いた。
「そう、よかった。そしたら、娘さんはきっと聡美ちゃんに感謝するわ」

二人の会話に聞き耳を立てるように、外の嵐の音は止んでいた。
雨の降り方も先ほどから少し弱まったようだ。
いつの間にか風雨は峠を越え、やわらかい雨へと変わっていた。
暗い空から降り落ちる雨が、郊外にあるこの街を静かに濡らす。
この街に暮らす住人は、やっと安心して眠りにつこうとしていた。

聡美は母が亡くなって以来、ずっと心にかかっていた暗雲を晴らすことができた。
もう嵐が聡美の心を引き裂くことはないだろう。
今夜からやっと安心して眠りにつける。
明日はきっと晴れるだろう。
(そしたら、思い切り朝日を浴びよう)
佐和子の胸のなかで、聡美はそう思った。


【終】




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