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鳳仙花
【その他 官能小説】

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鳳仙花-5

(5)


 いつも寝坊なぼくが明くる朝は早くから目ざめて寝床で階下の物音を聞いていた。両親が出かけてしまえば、
(葉月と二人きりだ……)
そのことが頭を占めていてろくに寝られなかったといっていい。

 襖は半分ほど開いていて葉月の足の一部が見えている。彼女が開けたものだ。動きからするとすでに起きている様子だった。

 昨夜、墓参りの話を聞いて部屋に戻ると仕切りの襖は閉まっていた。慌てて隣室に這っていった葉月の丸い尻が残像として見えるようだった。尻肉に挟まれた陰部の膨らみが目に焼き付いていた。

 電気を消して横になり、いったん起き上がった。
(隣は蒸し風呂のようだろう)
開けようと思いながら出来なかった。威圧的に裸にしたことが重い後ろめたさとなっていた。
 しばらくして気配があって、少しずつ、静かに襖が開いた。
葉月はじっとぼくを見ていた。薄暗いので表情もどんな目をしていたのかもわからない。ぼくは薄目で彼女を見上げながら息をひそめていた。

 
 着替えをする時も葉月は襖を閉めなかった。襖の陰になって姿は見えなかったが、
(隠すつもりはないんだ……もっと自由にできる……)
ぼくは身勝手な解釈をして突き上がる疼きを堪えていた。

 両親が出かける時、葉月は見送りに出たようだった。その後、階下で細かな物音がしていた。葉月がぼくの部屋にやってきたのは間もなくのことである。

「ごはん出来てるけど……」
「うん……」
「すぐ食べる?」
ぼくは答えず、葉月を見上げた。来た時の黄色いワンピースを着ていた。
「帰るの?」
「ううん」
「そんな服着て」
「あとで買い物行こうと思って」
「ふーん……」
「お魚焼いたから、あったかいうちに」
母に言われたのだろう。
「どうしようかな……」
寝返りを打ってごろごろしながら視線を脚に向け、ふたたび見上げると妙に大人っぽい目が穏やかに注がれた。

 枕元に座った葉月はふうーっと息を吐いて言った。
「触っても、いいけど……」
ぼくはむっくり起き上がった。
「いいの?」
「だって、触りたいでしょ」
葉月は膝で立つと裾に手を入れた。

 下着を丸めて握り、葉月は服のまま仰向けになった。服に被われたままの股間にぼくは手を入れた。捲らなかったのはなぜなのか、自分でもよくわからない。捲れば性器が露になる。
(じっくりアソコを見て、触れるんだ)
しかしそうなると当然繁茂した陰毛がさらけ出される。
(葉月が恥ずかしがっていた……だから……)
その気持ちがなかったとはいえない。
 だが、思いやりなんて心優しいものではない。ただ、彼女の肩身の狭い立場に付け込んで凌辱的な行為を仕掛けているぼくの、ほんのわずかな良心だったのかもしれない。

 指で梳けるほどの陰毛の下に汗ばんだ膨らみを捉えた。湿った割れ目をなぞっていく。葉月は固く目を閉じて両方の手は拳を握っていた。
 指を押し込むと内部はぬるりとして難なく指が入った。
「う……」
とろとろに熔けたような感触だ。まるでゼリーがいっぱい詰まっているようだと思った。

 ぼくは捏ねまわしながら陶然と酔いしれていった。
柔肉は複雑な凹凸を成して入り組んでいる。
(オマンコだ……そこに触っている。指を入れている……)
ペニスの硬直は極限の漲りをもってズキズキと痛みさえ感じていた。
 だがそれでも挿入しようとは思わなかった。欲求はあった。しかし重い現実がずしりとのしかかって抑制となっていた。
(叔父の子供になったんだ……葉月は叔父の子供なんだ)
さすがに一線を越える行為に及ぶ気にはなれなかった。

 昂奮はどうにもならず、寸前の喘ぎを上げている。堪らずペニスを引き出した。グゥンと反り上がった。
(葉月に握らせる……)
その思いつきはぎりぎりの選択だった。

 ぼくはにじり寄って股間を突き出した。驚いた葉月の顔は忘れられない。反射的に起き上がって身構えた。

「しないよ。心配すんなよ」
「どうするの?」
「出そうなんだ。出してくれ」
「わかんない」
「握って、擦ればいいんだ」
たぶん、すぐに射精してしまう。
「ティッシュを用意して。早く」
さらに突き出した。

 小さな手が怒張した幹を恐る恐る包む。
「扱け、早く」
「はい」
葉月の手に力がこもって動いたとたん射精が始まった。
「出る……」
ティッシュで被うより早く噴出した。
「貸せ」
ティッシュを宛がってうずくまった。

 葉月はどんな想いでぼくの射精を見ていたのだろう。
昂奮が褪めていくに従って居たたまれなくなって彼女の顔を見ずに階下に下りていった。彼女が下りてきたのはぼくが朝飯を食べ終えた後だった。


 その夜、葉月はぼくの布団に忍んできた。
「出してあげる……」
ぼくは声も出なかった。いいよ、と言えない若い性欲はたしかな反応で彼女の手を迎えた。
 正座して背筋を伸ばした姿勢で右手だけが上下に動く。
「気持ちいいんでしょ?」
冷やかに聞こえた。
 胸が詰まって苦しいほどの想いの中、快感は悲しい雄叫びをあげて闇に迸った。




 

 
 
 


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