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困った子
【熟女/人妻 官能小説】

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困った子-3

 中学生になると誠は私たちと寝ることはなくなった。誰が言ったからというのではなく、自然とそういう年頃になって自分で判断したことだと思う。体の成長とともに心の変化があったのだろう。少し淋しくもあったが仕方のないことだ。

 彼を性の対象として捉えていた自覚はないが、思い返せば子供とはいえ異性の意識はあったのだろう。でなければ指を自慰に使ったりはしない。それでも誠の性器に関心が向かなかったのは『男性』とまでは見ていなかったということだ。


 その気持に変化が起き始めたのは中学三年の夏のことである。
夏休みの夫の実家への訪問は私の楽しみとなっていた。夫婦水入らずでどこかに旅行をという気持ちもないではなかったが、義父も気の置けない人だし、女は私一人だから台所も自由に使えて気を遣うことがないのでとても居心地がよかった。もし姑がいたら違っていただろうけど。
 それに何よりもまこちゃんと会えるのが嬉しかった。いつも数か月ぶりだからその成長には内心驚いていた。
(伸び盛りなのね……)
今年のお正月にはまばらに生えた顎髭を見つけた。それでも可愛いことには変わりはなく、私は相変わらず『まこちゃん』と呼んでいた。

「急な仕事で一日休みがずれるよ」
「あら、そう」
「指定席は買ってあるの?」
「ううん、買ってない」
座れなくても一時間程度だから滅多に予約はしない。
「じゃあ、一日遅らせようか」
「そうね」
夫の言葉に返事をしながら、誠の顔が浮かんだ。
「先に行っててもいいかしら」
考える間もなく口をついて出た。
「うん、いいよ。親父も誠も喜ぶよ」
「そうならいいけど。迷惑がられたりして」
「そんなことないよ。大歓迎だよ」
「じゃあ、先に行ってるね。食事作っておこうか」
「いいよ。一日だから、何か買うよ」
誠とゆっくり話ができる。妙な思惑などはなく、最近二人で話すことも少なくなっていたのでそれだけでウキウキした気持になった。


 夫がいなくても気づまりな思いをしたことがないのは義父が気さくな性格の人だからだ。料理も美味しいと言ってほんとに嬉しそうに食べてくれる。夜も後片付けが済めばわざわざ台所までやってきて、
「ありがとう。あとはこっちで勝手にやるから、あんたは自由時間にしてな」
自由時間という言い方がなんだか可笑しかった。

 義父が寝室に引き上げて私がシャワーを浴びている時だった。気配を感じたわけでもないのに何気なく扉を見ると磨りガラスの向こうに人影が映った。脱衣所は狭いので意外にはっきり見える。
(まこちゃん……)
前屈みになって、白い物を手にした。
(私の下着……いやだ……)
着替え用のならまだいいけれど、汚れたものだったら困る。
 動きから、
(ああ……においを嗅いでいるみたい……)
恥ずかしい……。思いながら感じてきてしまった。
(私に興味をもっている……)
その時初めて誠を性的な『男』として感じたのだった。
 お湯の音が大きいので気付かれていないと思っているのだろう。お湯を止めてみたら慌てた様子で影が消えた。

 義父の部屋の前で声をかけるとすでに鼾が聴こえていた。誠は受験生。勉強しているだろう。
(邪魔しちゃ悪いかな……)
でも、せっかく一日早く来たんだ。
 しばらく部屋で涼んでから誠の部屋に行った。

 私と目を合わせなかったのは後ろめたい気持ちがあったからだろうか。
「勉強の邪魔かな?」
「ううん、別に……」
おねえちゃん、とは呼んでくれるものの、甘えて寄り添ってくる小学生とはちがう。背もすいぶん伸びた。華奢ではあるが腕の筋肉もついてきている。

「大きくなったよね」
「中学になって十二センチ伸びた」
「そんなに、すごいね」
子供の面影がなくなった二の腕を握ると照れくさそうに引っ込めた。

「前は一緒に寝たね」
誠の頬がほんのり赤くなった。
「おねえちゃん、ちょっと淋しいな」
複雑な笑いが口元に浮かび、首をひねるばかりで言葉は返ってこない。
 私はさりげない調子で言った。
「勉強は何時までするの?」
「そんなにしないよ」
「じゃあ、一緒に寝てくれる?」
目を剥いて驚きを見せた。
「いい?」
俯いた顔が真っ赤になった。
「いいけど……」
(ふふ、意識してる……)
からかう気はなかった。彼と体を寄せたい欲求。大人になりかかっている少年の体に触れたい欲望が抑えられなくなっていた。
 戸惑いが明らかに窺える。私は声を落して言った。
「おねえちゃん、恥ずかしかったよ」
「?……」
「下着……」
はっとした顔が俯いた。
「おねえちゃん……」
「いいのよ。まこちゃん……」
私はそれ以上何も言わず、黙って部屋に戻った。 
 


 


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