投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

困った子
【熟女/人妻 官能小説】

困った子の最初へ 困った子 0 困った子 2 困った子の最後へ

困った子-1

 玄関のチャイムが鳴って時計を見た。
(まこちゃんだ……)
四時少しすぎである。約束は五時だからだいぶ早い。まだ夕食のファミレスの宅配も届いていない。
(待ちきれなかったのね……)
可笑しくなった。
(私だってそうだけど……)

 ドアを開けると少年のような笑顔が飛び込んできた。
「おねえちゃん」
「まこちゃん。いらっしゃい」
(かわいい……)
会うのは二か月ぶりである。
「今日は授業あったの?」
「授業は月、火。単位はあと三科目だけ」
前に聞いたのを思い出した。私も少し昂ぶっているみたいだ。

 誠は主人の弟である。大学四年の二十二歳。電車で一時間ほどの学生寮にいる。
「土曜日なのに電話しちゃってごめんね。彼女とデートだったんじゃない?」
「んーもう。彼女はいないって」
「ほんとかな」
「ほんとだよ。いつも言うんだから、おねえちゃん」
ちょっと口をとがらせてみせる。小さい時から変わらない。

 私は美馬真理奈三十五歳。主人とは同い年、職場で知り合って結婚して十一年になる。子供はいない。五年前に流産して、体に異常はないのだけど、なかなか出来ない。
「それならそれでいいよ。出来たらそれこそ授かりものだ」
主人も言ってくれて、いまだに新鮮な夫婦生活を楽しんでいる。ショックが後を引かなかったのは主人の思いやりのおかげである。

 だから浮気なんて考えたこともない。誰かに心ときめかせたこともない。友達に聞くと、宅配便の人やら、病院の先生だとか、けっこういるらしい。
「イケメンなのよ。抱かれたいわぁ」
実際に行動に出るわけではないけど、結婚して十年くらい経つとそうなるのだろうか。

 私はそんな他愛無い密かな想いすら一度も抱いたことはない。でも、まこちゃんだけは別。だって、あの子は私のペットみたいな存在なんだから……。

 結婚した時、誠は十一歳、小学校五年生だった。主人とは十三も齢が離れている。母親は彼が三歳になる前に他界して、以来、父子三人暮らしだったという。
 主人の実家に初めて挨拶に行った時のことはよく憶えている。誠は恥ずかしそうに俯きながらも目だけは私に向けられていた。
「誠くん。こんにちは」
「こんにちは」
小さな声で応えた顔は目元が赤くなっていた。
「こいつ照れてるよ」
主人も義父もとても可愛がっていたようだ。
「母親の記憶はほとんどないだろうからな……」

 五年生といっても小柄で、まだあどけさなが残っていた。
「これからおねえちゃんになるんだよ」
「おねえちゃん……」
話すうちに甘えるように私の横にちょこんと座った。それからはそばを離れなかった。
「男所帯だったからなあ。煩わしいでしょうが我慢してやってください」
「可愛いです」
義父の目が潤んでいるようだった。私は姉と二人姉妹だったから弟が欲しいと思ったことがあり、
「仲良くしようね。まこちゃんって呼んでいい?」
誠は嬉しそうに首をかしげて頷いた。

 その夜は誠を真ん中に川の字になって寝た。私が手を握ると小さな手がぎゅっと握り返してきた。
(可愛い子……)
素直で少しひっ込み思案なところが愛おしくて、包み込んであげたくなる。母性というものだろうか。ぎゅっと抱きしめたくなった。
 夫を窺うと鼾をかいている。久しぶりに義父と痛飲して、洗い物をしている間にもう寝入っていた。

 誠も寝息をたてている。布団を捲って身を入れた。
寄り添って小さな体を抱き寄せた。
(まこちゃん……)
ふと、どこからか不思議な感覚が生まれたことに気づいた。
(なんだろう……) 
肉体的なものではない。心が温かくなるような、そう、いってみれば幸福感だろうか。この子は赤ちゃんじゃないけど、子供への愛情ってこういう豊かさを感じるのかもしれない。その時はそう思った。

 寝ぼけたような目を開けた誠は状況を把握するまでに少し時間がかかったようだ。私に抱かれているとわかると笑った。
「おねえちゃん……」
「いっしょに寝ようね」
「うん……」
「おやすみ」
誠を胸に引き寄せた。

 彼の手が私の胸に触れたのは意識的ではなかっただろう。触れて、膨らみがあったから握ったのだと思う。パジャマの上からではあったが、
(う……)
乳首から心地よさが走った。夫が求めてくるかもしれないと思って下着は着けていなかった。
 間もなく誠は私に抱かれてふたたび眠りに落ちていった。

(感じた……)
夫とは異質の快感であった。秘唇が潤ってきた。
 胸のボタンを外すと乳房を出して誠の掌を押し当てて擦った。
(ううう……気持ちいい……)
思わずもう片方の手がパンツの中に入ってクリトリスを弾いていた。ひさしぶりのオナニーであった。
 息遣いが収まっても体の熱はくすぶるように持続していた。

 


困った子の最初へ 困った子 0 困った子 2 困った子の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前