投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

疼くの……
【熟女/人妻 官能小説】

疼くの……の最初へ 疼くの…… 13 疼くの…… 15 疼くの……の最後へ

虐める快感-1

 疼きがおさまったわけではないけれど、体の変化があった。健吾のことを考える時、妙に身が引き締まるのである。疼いて熱くなって欲しくなるのではなく、自分から『向っていく』劣情であった。しばらくして、これは『闘争心』ではないだろうかと思った。

 少年に翻弄されたことが妙な重さとなって残っていた。いくら快感だったとしても、ネットの図解で知っただけの体位を指示され、結果的に振り回されてしまったのは気持ちよくても消化不良の事後感があった。

 最初の時は信じられない持続力に圧倒されて屈伏してしまった形だったが、考えてみれば、おかしなことだ。脳のコントロールだかなんだか知らないが、まだ成長期の少年である。
(異常だわ……)
これじゃ私は排泄の道具だ。女のプライド……などという以前に、許せないし、間違っている。思い出す度に想いが強くなった。
 それに、彼にとってもよくないと思う。理詰めで欲望を処理したり、知識の裏付けのために結合を求めたり、疑問の解消に私の体は使われたことになる。好奇心は経験の動機になるけれど、健吾の場合はそんな初々しさは感じられない。
 このまま大人になってこんな機械みたいなセックスをしていたら本当の性の悦びを知らないまま偏った観念を固定してしまうかもしれない。

 コントロールが狂うことがわかった。頭脳明晰といったってセックスに関しては所詮子供だ。知らないことだらけだ。玉袋を揉んだだけで乱れてしまった。
 コンピュータだってデータをインプットしなければ対応できない。
(そういうことだ……)
想定できないことを徹底的に仕掛けてやろう。人間はもっと複雑で繊細なものだということを教えてあげる。

 
 そうと決まればあとは計画だが……。
まず場所だけど、彼の部屋ではだめだ。たとえ母親が留守であっても近所に声が洩れることもあるし、何より健吾にとっては『ホーム』である。『アウェイ』に引き出さなければならない。経験のない状況をつくることによって集中力を妨害するのである。
 その最も効果的な場所は、ラブホテル……。
家庭教師が生徒をホテルに連れ込む。考えれば至難のことだが、私の気持ちは粘着をもった執念となっていた。


 (健吾の様子がおかしい……)
翌週訪れた時、直感した。いつもと様子がちがう、ということなのだが、明確な変化ではない。相変わらず理知的で冷静な表情である。だがその頬や口元、目の動きなどに、ときおり意識の揺らめきのような微妙な強張りが表われるのである。

(珍しい……集中していない……)
後ろから見ていて感じられた。
 ノートを覗いて見ると問題は一問も解いていない。
「健吾くん」
肩に手を置くと細い項が引き締まった。
(緊張してる?……)
「どうしたの?君なら解ける問題よ」
すぐに返事がない。横顔を見ると何かを堪えているようにも見える。こんな健吾を見るのは初めてである。

「体の具合でも悪いの?」
「いえ……」
「なんだか元気がないわね」
「元気……ありすぎなんです……」
前屈みの上体を反らしてみせた。股間が突き立っている。私は驚かないし、感じてはいるけれどいつもの疼きは起こらない。
「しょっちゅうなんでしょ?若いんだからいいじゃない」
「でも、いままでと、何かちがうんです」
話を聞くと、射精の時、意識が薄れるくらい気持ちがいいのだという。

「射精する時って、いつも気持ちいいんでしょ?」
「そうなんですけど、全然ちがうんです。あの日から……」
あの日とは玉袋を揉まれて制御を失った時だ。自分ではその原因を冷静に分析していたけれど、何かが狂いはじめたのかもしれない。狂った、ということは、異常なことではなく、むしろ正常な肉体感覚になったということかもしれない。

「先生……集中できないんです」
「困ったわね」
健吾は俯いて、小声で言った。
「お願いできないでしょうか……」
「お願い?何を?」
「……セックス……」
(へえ、しおらしい……)
いつも自信に満ちた健吾が苦しそうに顔を伏せて真っ赤になっている。
 思いがけず彼の方から縋ってきた。

「集中できないんだったら、オナニーしていいわよ。見ててあげる」
「え?そんな……」
「だっていつも処理してすっきりするんでしょう?」
突き離して燃えさせる。じらしてやる。
「早くすっきりして勉強しましょう。恥ずかしかったら後ろ向いててあげる」
冷たく言って様子をみていると、自分の股間を見つめている。ぴくぴくと動いている。
(手でやってあげてもいいけど……)
だめだ、甘やかしたら図に乗って、また新たな脳の設定をされたら面倒なことになる。

「先生のこと、ずっと頭から離れないんです……」
可哀想なくらい真剣で一途な横顔。これが思春期の少年の姿だ。心が揺らぐ。だけど、ここで応じたらたぶん私の負けになる。きっと玉袋はデータに入っているはずだから他に強烈なものがなければ健吾は復活の結合をみせるかもしれない。
(ここが正念場だ)
それに階下には母親がいる。危険は避けねばならない。

「健吾くん。私は教師、君は生徒。わかるでしょ?」
「はい……」
「そして私は結婚してるの。それもわかるわよね」
「はい……すいません……」
「人妻に簡単にセックスを求めるなんて失礼よ」
二度も行為を許しておいて、自分でも可笑しいと思いながら少し強く言った。

「でも、君の年頃の気持ちはわかる気がする。だけど、この部屋じゃもう出来ないわ。気持ちが落ち着かないの」
健吾の顔が私を見上げた。
「どこか、別の所なら考えてもいいけど、無理よね」
「別の所って?」
「うーん。それは考えてみるけど、健吾くんは時間ないのもね」
「作ります。時間、作ります」
「内緒の時間よ」
「はい」
私は内心ほくそ笑んでいた。


疼くの……の最初へ 疼くの…… 13 疼くの…… 15 疼くの……の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前