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疼くの……
【熟女/人妻 官能小説】

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初疼き-1

 疼くの……疼いちゃうんです……。

 私、水口修子、二十八歳。結婚して四年目。
主人は植物学者で、そういった関連の公務員。詳しいことはいえないけれど……。
 同い年で大学の農学部で知り合った。子供はまだいない。もう少し先にと考えている。
 初体験は付き合って一年後、その時積極的に求めたのは私である。

 交際を始めて間もなく、彼が体を求めているのは感じていた。私だってセックスへの興味、期待、怖さなど、もろもろの想いが日に日に膨らんでいくのがわかってはいたものの、小さなときめきとして自制の中でまだ硬い蕾だった気がする。
 夜の公園や林の中でキスをして、彼の手が胸に触れてくると、
(ああ……)
もわっと快感が湧いてきて、身を任せたくなることもあった。でも不意に制御が働いて、
(いけない……)
その手をさりげなく振り払った。
(いつかは……その時まで待っててね……)と漠然と想い、結ばれるのがいつのことなのかわからないけれど、
(まだ早い……)
自分に言い聞かせていた。
 大学生だから早いとはいえないけれど、私ってけっこう真面目だったと思う。

 新芽が弾けたのは偶然目の当たりにした兄のセックスだった。
両親が日帰りのバスツアーに出かけた日曜日のこと、帰りは遅くなるから夕飯は自分たちで食べてと言われていたので、私もゆっくりデートを楽しもうと思っていた。ところがお昼を食べている時に、彼のお祖母さんが亡くなったと連絡が入って止む無く別れて私はひとりぼっち。しょうがないものね。

 どうしようか考えても、友達を呼び出すにも中途半端だし、やりかけのレポートでも完成させようと帰宅することにした。そして、家では……。
 思えば前夜、「何時頃帰るんだ?」と兄が何度か訊いてきたことを憶えている。気にも留めずに、
「たぶん夜になる」と答えたのだけれど、兄は彼女を家に連れ込むつもりだったのだ。そんなことは想像もしない。

 玄関の鍵を開けた時に奇妙な声が聞こえて、私は動きを止めた。
(何?……)
苦しそうな女の声。初めはテレビの音声かと思って耳を澄ました。
(ちがう……)

「あうう……あうう……」
そして絞り出すように、
「ああ、だめよ……誰か来たら困る……」
「大丈夫、夜まで帰ってこないよ」
「ホテルのほうがいいわ。落ち着かない」
「たまにはちがった雰囲気もいいだろう?俺の家で美夏を抱く。昂奮するよ」
「それは、あたしもそうだけど……あう、声が出ちゃう……」
「いいよ。だけど大声はだめだぞ」
「あうん、そんなことすると我慢できない」

 高鳴る自分の動悸を聴きながら、そっとドアを閉めた。
リビングのドアはガラス戸で玄関から素通しで中が見える。私は腰を屈めて近寄った。
(!……)
すごかった。後ろ向きの兄がソファで脚を開いた女の股に顔を埋めていた。二人とも全裸。
「ああ、感じる、ああ」
息も絶え絶えの女の声。乳房もあらわになって波打っている。
(アソコに口をつけているんだ……)
そのあられもない淫らな光景に驚いたのはもちろんだけど、それよりも自分の局部の変化に慌ててしまった。
(これ、なに?)
まるで失禁したみたいに温かい湿り気が滲み出ててきた。じわっと、はっきり出てくる感覚がわかって、同時に熱を帯びて、はっきりと疼いた。セックスのことを考えて潤うことはあったけど、こんな経験は初めてだった。

 さらに強烈な行為が展開された。
兄が立ち上がり、
(あ!すごい!)
思わず息を呑んだ。反り返ったペニスが天を向いている。勃起した状態はもちろん、生の大人のペニスを目にするなんて初めてだから圧倒されちゃって。
(あれを、挿れるの?……あんな大きなモノを……)
いつの間にかガラス戸に顔を近づけていて、すぐに壁に半身を隠した。夢中になっていた。

 女が起き上がった。
(あれ?……)
いよいよ『スル』のかと思っていると、女が跪いてペニスを握り兄を見上げて妖しく笑った。
(ああ、あれだ……)
口で……。知識はあったけど、本当にぱっくり咥えるとは、びっくりしちゃった。

 女は恍惚と目を閉じて、顔を前後に動かし、それだけじゃなく、左右に振ったり、兄の尻を撫でまわしたりしてる。
「ああ、感じるよ」
「おいしいわ……」
ぺろぺろと舐めながら女の吐息混じりの言葉。
(おいしい?)
味なんてあるのかしら?その時はほんとに考えたものだ。

 やがて床に仰向けになった女が脚を開いて膝を抱える体勢をとると兄が膝をついてにじり寄っていく。ペニスに手を添えて陰毛のところに宛がい、ぐっと重なっていった。
「あうう!」
局部は見えないけれど挿入されたとわかった。

 兄の腰が動く。女はのけ反って顔を振りだした。
「中に出さないで」
「わかってる……」
(あのペニスが入ってるんだわ……)
ペニスが中に入るって、どんな感じなんだろう。

 気がつくと自分の秘部に手が触れていた。ぬるぬるだった。
(ここに……)
あんな大きなモノが……。自分では指しか入らないように思えるのに。
 高鳴る動悸。ずきずきと疼く割れ目。

「くう!イク!」
兄が体を起こしたと思ったら前のめりになって呻いた。直後、精液が女のおなかのあたりに飛び散ったのが見えた。
 私は後ずさりしながら靴を手に裸足のまま玄関を出た。

 


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