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LADY GUN
【推理 推理小説】

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病んだ精神-6

 出張に来たからと言ってのんびりするつもりはない。2人はレイプ事件が多発しているという海岸沿いにあるあらゆるパーキング。石山は海岸線を走り目についたパーキングに車を停めた。街灯もなく真っ暗で寂しい雰囲気だ。恋人達からすれば逆に人目を気にせずに愛を育めるから良いのだろうか。それが危険の落とし穴となっている。
 「誰もいそうにないですね。」
 「ああ。」
特に人影は見当たらない。たまに目の前の道路を車が通るぐらいだ。
 「石山さんが独身だったら今すぐ私に襲いかかってますか?♪」
飲んでいたジュースを吐き出しそうになる。
 「ば、馬鹿かお前は!?一体何を言うんだ!?」
 「アハッ!動揺してる♪」
 「ったく…」
ジュースを飲み直す。
 「でも若くて金がない時は良く車の中でしたもんだな。ハハハ!」
昔を思い出し頭をかく石山。
 「車の中で良くヤッたんですか!?カーセックスって燃えるんですか!?」
ガッツリと食いつく若菜。
 「燃える、な!」
親指を突き立てる石山。
 「いーなぁ!いーなぁ!私、一度でいいからカーセックスしてみたーい!」
 「ハハハ、じゃあ彼氏を早く見つけないとな!」
そう言った瞬間、車が一台入って来た。車から降りた男が近付いて来る。そして窓をノックしてきた。石山は窓を開けた。
 「すみません、火を貸して貰えませんか?」
 「ああ、いいですよ?」
石山がポケットに手を入れた瞬間だった。
 「おい、騒ぐな!!」
男がいきなり石山の首に刃物を突きつけた。
 「!?」
若菜に緊張が走る。レイプの当事者になるのは勿論初めての事だ。女としての恐怖を一瞬でも感じた。
 「な、何をするんだ!?」
石山は慎重に対応する。すると車の中から2人の男が出てきて車に乗り込んで来た。1人は後部座席、1人は助手席に乗り込み体ごと若菜を押さえ込む。
 「な、何なんですかあなた達は!」
覆面はしていない。20歳代半ばぐらいだろう。
 「ネーチャンら、不倫か?羨ましいなぁ、こんな若くて美人な女とハメハメできてよ!俺らにもヤラせてくれよ!」
 「な、何を言ってるんだ!」
石山は刃物を気にしながら若菜を心配する。
 「こっちは被災者の為に必死で安い給料で危険な目にあいながら原発直してるっつーのによぉ、お前ら国から大金貰って豪遊してんだもんなぁ。やってらんねーよ!急に金持ちになったからって調子に乗って人をムシケラみたいに見やがって!気にいらねーんだよ!」
 「…」
レイプ事件や強盗事件が多発している訳が見えた気がした。
 「お前らの為にセシウム浴びながら毎日ヘトヘトになるまで働いてるんだ。タダでマンコ貸してくれるぐらい屁でもないだろーがよ?たっぷり労ってくれよ、ネーチャンの気持ちいいオマンコでよ!!」
男が若菜の下半身に手を突っ込んだ瞬間に石山が動いた。見計らっていた刃物を握る手を掴み男を押さえ込む。
 「勝手な事ぬかしてんじゃねーよ!」
石山はドアを開け男を投げ飛ばす。
 「うおっ!!」
いきなりの反撃に若菜の上に乗る男も驚く。
 「私の体はタダで貸し出す程安くはないの。ごめんね?」
若菜は男の首を絞める。凄い力だ。男は苦しむ。石山はまず1人目の男に手錠をかける。すかさず後部座席の男を押さえつける。若菜が男の右手に手錠をかけ、石山が差し出した後部座席の男の左手と繋げて手錠をかけた。
 「悪いわね、警察よ?暴行容疑の現行犯で逮捕します。」
 「ちっ…」
うなだれる3人組。通報を受けたパトカーが犯人を連行する。石山と若菜はパトカーについていき東署に向かった。


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