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堕ちていく人妻
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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現実-1

〜第11話〜

車は自宅へと向かっていた。
もうすぐで斉藤と離れなくてはならない。
寂しくもあったが、斉藤の言動からもう二度と会えないかもしれないという不安は
解消されていた。

無言のまま車は走り、家から歩いて2,3分程の場所にあるコンビニの駐車場で停車した。
「俺が連絡をしたときは、すぐに返事するんだぜ」
二人でいるところをなるべく見られないように、美香は首を縦に振ると車から降り
足早に自宅へと歩いていった。

「さて・・何日持つかな・・」
そう呟きながらしばらく美香を見送った後、斉藤も車を走らせた。

「初めての外泊」からようやく帰宅した美香は、玄関のドアを開けて中に入りリビングへと向かった。
たった1日しか空けてないのにずいぶん久しぶりに見るような光景だった。
ゴミ袋にはコンビニ弁当の空箱が捨ててあり、シンクには飲み終えたコップが
置いてあった。

「ごめんね。浩二・・もう嘘の外泊はしないから・・」
そう何度も嘘が通用するわけがない。
それに斉藤も浩二にバレるような危険なマネはしないだろう。
休日には連絡はしないと言った事が何よりの証拠だった。

洗い物や洗濯、掃除をすべて終えてもまだ時間を持て余していた。
趣味がないわけではない。テニスをしたり映画を見たり、美味しいものを食べに行ったり。
ただ、一人で熱中できる趣味はなく、友達が捕まらないとこうして暇な時間を
過ごすしかなかった。

「あぁあ・・暇だなぁ・・」
ただダラダラとテレビを見ながら斉藤の事を考えていた。
真っ先に思い浮かぶ言葉は「危険な男」
近寄ってはならない。触れてはいけない存在。
そして、一度触れるとなかなか離れられない存在。

昔付き合い始めた頃に友達に紹介した後、そう言われた事を何となく思い出した。
「あの男は危険だから、傷つかないうちに別れなさい。その方が美香の為よ」
その時は友達の助言など気にもならなかったが、別れる時にその言葉の意味を理解した。
いや、理解したつもりでいた。

斉藤と別れ、浩二と結婚し、今になってようやく「危険な男」の意味を美香は理解した。
そして既に斉藤から離れられなくなっていた。

「もう・・私のバカ・・・浩二がいるのに。私は浩二の妻よ。だから・・・
考えちゃダメなの・・」

結婚する前も、してからも。変わらず優しいままの浩二。
これ以上裏切りたくない。そう強く思えば思うほど、身体は反発するように斉藤を求めてしまう。

明日は土曜日。土曜、日曜と二日間、浩二と一緒にいればもしかしたら斉藤の事をなんとも思わないかもしれない。

僅かな望みを信じ、今夜の夕食の買い物に出かけ、浩二の帰りを待っていた。

ピンポーン。

インターフォンが鳴り、玄関で出迎えた。
「おかえりなさい。浩二。今日もお疲れ様」
昨日はできなかった分、浩二に抱きつき頬にキスをした。

「おいおい・・どうしたんだ?」
そう言う浩二も1日振りのお出迎えに嬉しそうにしている。
「だって・・昨日は一人にしちゃったから・・」

まるで新婚夫婦のように抱き合いキスをする。
「んっ・・んっ・・」
「ねぇ、ご飯で・・いいよね?」
「うん。早く美香の手料理を食べたいよ」

着替えと手洗いを済ませリビングに戻るとテーブルに美香の手料理が並んでいた。
昨日の弁当との落差に感動していた。
「うわぁ、美味しそう。やっぱり美香の手料理が一番だな」

満面の笑みを浮かべテーブルに座る浩二の姿を見て美香も笑顔が零れる。
「いっぱい食べてね。はい。乾杯」
ビラグラスを重ねた後、乾いた喉を潤すと目を輝かせながら浩二が食事を始めた。
「美味しいよ。これも・・これも・・」

美味しそうに食べる浩二を見ていると、美香も幸せな気分になれた。
今までもそうだった・・が、ふと、昨日の今頃は・・すぐそこで。
と、斉藤の肉棒に悦びの悲鳴を上げていた自分を思い出し、たったそれだけで身体が熱くなっていた
それを打ち消すように「そうだ。明日、どこか出かけようよ」
「おっ、いいね。じゃあたまにはドライブでもしようか」

せめて浩二といる時は斉藤の事は考えないようにしよう。と、美香は必死に熱くなり求めてしまいそうになる身体を抑えた。



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