dream・road-12
「やべ…眠…」
そのまま龍矢の意識は沈んでいった。
「ん…んん…」
朝、マリアは手に存在する不思議な温もりを感じて目を覚ました。
手に存在する温もりの正体を確認するために手に視線を向ける。
そこには、自分の手を握りながら眠っている龍矢の姿があった。
「すごいケガ…どうしたんだろう…」
マリアは呼び起こそうとしたが、子どものように、どこか幸せそうに眠っている龍矢の顔を見て、起こすのをやめた。
「ふふっ…カワイイ」
同時に、愛しさがこみあげる。マリアは、昨日自分を助けてくれた龍矢を好きになっていた。
「今ならいいよね…」
龍矢の額に柔らかく口づけを落とした。
夢への道をまだまだ歩き始めたばかりの二人。
二人は夢を掴むことが出来るのだろうか…。
それはまた、別の物語…。