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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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止んだ喧噪-6

目を閉じて心の葛藤と闘っていた麻衣は、ついに耐えきれずにか細い声を漏らした。
「いやぁ〜」
愛液を漏らしてしまい、麻衣は震えるような羞恥で頭に血が昇り心は動揺していた。

麻衣の尻穴がプラスチックの管を飲み込んでいる頃、S学園の体育館ではもう一人の少女が同じように動揺していた。
千帆である。
千帆は麻衣を見送った後、遅れて体育の授業に参加していた。
クラスは何組かに分かれ、バレーボールの練習試合をしているところだった。
しかし、千帆の心は上の空で、バレーボールどころではなかった。
バレーボールコートの中に立っていても、今、この瞬間に病院で何が行われているのかが気になって仕方がない。
(麻衣は今頃、ベッドに寝かされている頃だろうか?)
ふと、体育館の出入り口付近に目を向けると、違うクラスの生徒たちが歩いているのを見た。
(私が中学3年の時に同じクラスにいた子かしら?)
そんなことをぼんやり考えていると、千帆が立っている近くにバレーボールが落ちてバウンドする音がした。
緑や赤のラインが入ったカラフルなボールが床を転がっていく。
ネットの向こう側で歓声が上がった。
「やった〜!」
千帆がレシーブすべきボールを見逃したのだ。
体育教師が声を張り上げる。
「おーい!千帆ー!どこ見てんだー」
千帆は我に返った。
「すみませーん」
しかしながら、その声はどこか上の空で、気が入っていない調子だった。

体育教師の笛が鳴り、試合の組が替わることになった。
千帆の組は休憩である。
コートの外に出て、壁際から他の組の試合を見るのである。
休憩の組の生徒がタオルで汗を拭いながら千帆の周りに集まる。
「千帆、たいへんだったね。麻衣に付き添っていたんだって?」
長い髪を後ろで束ねた千帆も、日頃は隠れているうなじをタオルで拭いながら答えた。
うっすらと汗が浮かんだ小麦色の肌は妖艶な匂いを発散していた。
「そう。結局、玄関まで行って見送ったの」


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