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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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別れの予感-7

今は、浣腸という同じ体験で心が結ばれている。
そして今日、先輩の聡美と私の心が結ばれたきっかけも浣腸であった。
この結びつきがある以上、たとえ暮らす場所が違っても心が離れてしまうことはないだろうということだ。
聡美とも麻衣とも、浣腸という経験でしっかりと心が結ばれている。
それはこれから先も変わらない。
「心配しないでね、麻衣ちゃん。泣かないでね。私まで泣きたくなっちゃうじゃない」
涙をこらえながら、祐梨は妹の髪に顔をうずめた。

午後も遅くなり、いつの間にか部屋も暗くなっていた。
陽が落ちる時間が早い季節になってきたのだ。
エンジンの力強い振動音が響いた。
宅配便のトラックが団地の構内に入ってきたようだ。
今の姉妹には、その音は狼のように荒々しく聞こえた。
ライトの光が獲物を探すように暗い部屋の壁を這った。
姉妹は身をひそめ、隠れるように部屋の中で抱き合った。
狼は姉妹を見つけることができず、振動音はゆっくりと過ぎ去って行った。

日に日に深まる秋の空気は、室内にいても肌寒く感じるようになっていた。
いつの間にか暑い夏は過ぎ去り、季節は変わったのだ。
狭い家で一緒に育ってきた姉妹を取り巻く環境も、同じように季節の変わり目を迎えている。
姉と妹は忍び寄る寒さに恐れを感じた。
(これ以上寒くならないでほしい)
同じことを考えていた。
裸の身体を密着させて温もりを重ね合わせれば、この寒さに抗えるような気がした。
姉妹は申し合わせたように、しっかりと力を込めて抱きしめ合った。


【終】




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