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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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止んだ喧噪-5

麻衣は反応して声を上げた。
ナースがそれを見て微笑んだ。
初めて浣腸を経験する者に見られる初々しい反応であったからだ。

丸出しにした尻からプラスチックの管を入れられ薬液を注入されている状況に麻衣は居たたまれない気持ちだった。
妙に静かだった。
なぜか物音一つ聞こえない。
ナースも無言で容器を押し潰し、麻衣の腸内に液体を送り込んでいる。
病院中の皆が固唾をのんでこの瞬間を見ているかのような錯覚にとらわれた。
(いったい、さっきまでの病院の喧騒はどこへ行ったの?)
自販機に缶コーヒーを入れていた業者も作業の手を止めて麻衣の浣腸の様子を見ている。
待合室で大型のテレビモニターを見ていた患者も振り返ってこちらを見ている。
廊下の歩行者も足を止めて、皆で麻衣の浣腸に注目している。
麻衣の尻穴に突き刺さる透明なチューブ。
その中を流れる液体が、ちゃんと麻衣の身体の中に入っていくのか、皆で心配しながら見ている。
麻衣の浣腸を邪魔しないように。
館内放送も一時的に中断し、赤ちゃんも泣き止んだ。
すべては麻衣の浣腸のために。
この恥ずかしい時間はいつ終わるのだろうか…。
(お願い!みんな、見ないで)
麻衣は心の中で皆に叫んだ。

麻衣は腹の奥に広がる浣腸液を感じながら、心の中で化学反応のような変化が生じていた。
(私には、そんな趣味はないはずだ)
打ち消そうとしたが、化学反応の色は心の中にどんどん広がっていった。
愛液が溢れ出てきたのである。
混じり気のない純粋な若い愛液は、心の変化に正直に反応して出てきた。
自分の恥ずかしい姿を意識すればするほど反応してしまう。
皆から見られているような気になるほど愛液は溢れ出した。
浣腸を注入しながらナースはそのことに気が付いた。
色素の濃い縦長の切れ目が漏水のようにじんわりと愛液で湿ってくるのを見た。

浣腸で感じてしまうことは珍しいことではない。
百戦錬磨のナースは、それを良くあることの一つだと捉えた。


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