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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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学園の風景-6

いつの間にか、患者の麻衣以上に胸の鼓動が早くなっていた。
女医と麻衣の会話の途中から、血の気が引くような興奮が襲い、手は震え地に足が付かないような状態になっていた。
麻衣が便秘していることを聞いてからだった。
それは、決してライバルの病気に優越感を感じたからではなかった。

千帆は、女医と麻衣に気づかれないように、こっそりと待合室のソファに戻った。

女医と麻衣が待合室に出てきた。
女医が千帆に説明する。
「千帆さん。麻衣さんはこれから早退します。担任の先生には私からも話すけど、千帆さんも尋ねられたらそう答えてね」
「先生、麻衣は大丈夫なんですか?私、心配です〜」
わざとらしく心配そうな声を出す千帆を麻衣が睨みつけた。
「大丈夫よ、千帆さん。これは良くあることだから。ちょっと体調崩しちゃったのね」
女医は麻衣を心配するクラスメイトに穏やかに答えた。
「風邪ひいちゃったの?それとも、もっと悪い病気なのかしら?」
千帆はすでに知っている答えを引き出そうと食い下がる。
「ちょっとお腹壊しちゃったのよね?麻衣さん」
女医が麻衣の方を見る。
興味津々という表情を押し殺しながら千帆が麻衣に問いかけた。
「麻衣、そうなの?お腹壊してるの?」
麻衣は顔を逸らし、悔しそうに口を閉じている。

「麻衣は家へ帰るんですか?」
そう尋ねる千帆に、女医は事実を伝えた。
「いいえ、病院へ行きます。なので、千帆さん、ありがとね。ここまで付き添ってくれて」
女医は授業へ戻るよう促した。
しかし、千帆は同情的で親切なクラスメイトを演じ続けた。
「最後まで付き添わせてくださ〜い。心配でここまで来たんですから。今授業に戻っても同じだし」

結局、3人は正面玄関まで一緒に行くことになった。
時折、麻衣は苦しそうに下腹部を押さえた。
「大丈夫?もう少しよ。きっと楽になりますからね」
女医は便秘に苦しむ女子生徒を励ました。
後ろから歩く千帆が、その様子を目に焼き付けるように食い入って見ていた。


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