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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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学園の風景-7


学校側は要領よく対応してくれた。
保健室からの連絡を受け、タクシーを手配するとともに麻衣のカバンなどの持ち物が学校の事務スタッフによってエントランスまで届けられていた。

女医に介抱されながら、麻衣はゆっくりとタクシーの後部座席に乗り込む。
「麻衣さん、それじゃ、おだいじにね」
女医がそう言うとバタンとドアが閉まった。
運転手が事務スタッフと行先の最終確認をしている。
その間、少し間があった。
窓ガラス越しに、立っている千帆が見えた。
千帆の目は麻衣を見ていた。
ほくそ笑むように、何かを見透かしたような目をしている。
勝ち誇ったような目にも見えるが、少し違う。
それは、隠し持った心の秘密を隠ぺいしているかのような暗い明かりを放っていた。
なにかを期待していながら、自らの動揺を悟られないよう隠している目。
麻衣にはそれが何なのか分からなかった。
ただ、一つだけはっきり分かったのは、それは決して敵視ではないということだった。
むしろ、憐れみの気持ちに近い同情の色が含まれていたからだ。

タクシーは動き出した。
窓ガラス越しに見える千帆の姿が後ろに消えていった。

女医と千帆はタクシーが左折し視界から消えるまで見送った。
タクシーが見えなくなると、途端に千帆がしゃべり始めた。
「麻衣、治るかな。どんな治療されちゃうんだろうね?治るといいなあ」
その声には、嬉しそうな期待感が隠し切れず滲み出ていた。
女医は先ほどから気がついていた。
(この子は浣腸を知っている)
過去に便秘で苦しむ女子生徒を山ほど見てきたベテランの老女医である。
その見立てに間違いはなかった。
千帆の尻穴は浣腸の味を知っている。
「千帆さん。これから麻衣さんが恥ずかしくて苦しい治療をされることが、そんなに面白い?」
そう言われて、千帆は急に黙りうつむいてしまった。
長い黒髪が顔を覆った。
しかし老女医は、日焼けしたような色の顔に微かに赤みが浮かんだことを見逃さなかった。



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