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『正夢』
【青春 恋愛小説】

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正夢〜仲間〜-3

二人で廊下に向かう。途中で先生が私達を止めに入るが、無視して廊下に向かう。私達を止めるなら翔ちゃんたちを止めてよ…。
扉を開けると、お互いにチョップを胸にしている二人がいた。そういえば、翔ちゃんたち、プロレスにハマったとか何か言ってたっけ…。
とりあえずこのままにしとくわけにもいかないので、珊瑚と二人で声を上げる。

「翔ちゃん!」
「高山くん!!」
「二人のせいで!」
「ホームルームが!!」
「「出来ないでしょっ!」」
二人が動きを止めてこちらをみる。こういう時はちゃんと怒らないと!
「「戻りなさい!」」
「わかったよ…」
「は〜ぃ…」
二人を教室に連れ戻すと、皆が拍手をし始めた。
「すげぇ!あの二人止めやがった!」
「よくやった高瀬、高久!」
「かっこよかったよ〜!」
顔が真っ赤になるのがわかる。みんなが拍手をしてくれるのは嬉しいんだけど…。
「はずかしいね、珊瑚…」
「うん…」
もう翔ちゃんたちが暴れないようにしないと。HRで顔を冷ましながら私はボ〜ッと考えていた。



その頃、一年校舎の倉庫では…
ゴッ!!!
「ぐぁっ!」
激しい打撃音とともに男は壁に吹き飛び、床に崩れ伏した。
周りには、朝の男達が床に倒れていた。
「まだやる?」
その男達を沈めたのであろう張本人…鹿見が一人に問掛ける。
「勘弁してください…」
鹿見は男達に背を向けると、屋上へと足を向ける。
「つまんないなぁ…」
鹿見は赤くなった手の甲を見ながらふと呟いた…。


放課後、ようやく新しいクラスでの一日が終わり、みんなでこれからの予定を話し合っていた。
「ねぇ!?みんな同じクラスになったんだから、今日は私の家でパーティーしよ!いいでしょ?」
恵がおもむろに口を開く。確かに今日は早く終わったので、遊んだりは出来るだろう。
「俺りゃ〜いいぜ。バイトも入ってないしな」
「私もいいよ」
渉と珊瑚が賛成する。俺も大丈夫だと言おうとすると、
「じゃあ決定だね!」
「え!?俺は?」
「だって翔ちゃんは来るでしょう?」
「まぁ…行くけどさぁ」
「じゃあいいじゃん!決まりだね!」
勝手に決められているとは…ちょっと嬉しい。

「じゃあ翔ちゃんと渉君は飲み物とお菓子買ってきて!私と珊瑚は先帰って料理つくるから」
「うぃ〜」

二人が先に帰り、教室には俺と渉の二人になった。
「…頭がよくても子どもなんだなぁ」
渉が笑いながら同意する。
「違いないな」

二人で酒を飲ませる算段を立てる。恵と珊瑚は酒を飲むととんでもなくなるからな…。恵の酔った姿を想像して顔が赤くなる。
「おい、翔。さっさと帰ろう…ってなに顔赤くしてんだ?気持ち悪いな」
「うるせぇっ」


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