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『正夢』
【青春 恋愛小説】

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正夢〜仲間〜-2

目を瞑り、合図をかける。「ようし、一斉の……」
「珊瑚と一緒…一緒…」
「みんな一緒かな?」
「みんな大丈夫だよぉ!」


「……せっ!!」
みんなで目を開き掲示板を食い入る様に見つめた。

二年三組………24高久 珊瑚25高瀬 恵26高槻 翔27高山 渉………。

………。
「いょっしゃあぁ〜!!!!」


掲示板の前で騒いでいる翔たちの少し裏に、一人の男が立っていた。

目の覚める様な黒髪に、赤いメッシュが入っている。どこか猫っぽい、まだ子供っぽい顔の少年は、危うい雰囲気を隠しもせずに出していた。
「あれが高槻翔と高山渉…」
ふ、と笑みをこぼす。
「おい!」
翔たちを見ていると、裏から声をかけられた。

「お前だろ?鹿見ってのはよ」
少年は軽くうなずき、口を開いた。
「今からやるの?」
「当たり前だろ?ちょっとこっち来てもらうぜ」
男の裏から数人の仲間が現れる。数は四人。明らかにこれから自己紹介をするような雰囲気ではない。
少年…鹿見は軽く微笑み、「わかった」と言った。

男たちが鹿見を連れて歩き始める。鹿見の口元は、笑みを浮かべていた…。


「いやぁ〜よかったよかった!!一緒じゃなかったらどうしようかと思ったぜ」
渉の一言に皆が頷く。
「だけど、よく翔も来れたよな?お前確か二学期の最後のテスト、物理八点だろ?高瀬に感謝するんだな」
思い出したくないことを口に出され、腹が立ったので負けじと反論する。
「てめぇこそ国語十点だろ〜が?英語勉強する前に日本語覚えろよ?」

「あ!?今世界はグローバルの時代なんだよ」
「グローバルの意味分かってんのかお前?」
「あァ!?」
渉の雰囲気が変わる。急に穏やかな口調で話し始めた…。急に穏やかな口調で話し始めた。

「…翔くん?確か勉強ばっかりで体動かしたいとか言っていたね?」
「…お前も動かしてぇんだろ?」
「んじゃあ廊下に出ようか?」
「そうしようか?」
二人で一緒に廊下に出る。これで邪魔者はいない。おもいっきり体を動かしてやろうじゃねぇか…。



翔ちゃんと渉くんが廊下に出ていく。一体何をするんだろう?
「なんか凄い嫌な予感がする…」
珊瑚がそう口走った瞬間だった。

「「てんめぇ〜!!!!!!」」

もの凄い声が廊下から聞こえてきた。さっきまで賑わっていたクラスが静まりかえる。

入り口から先生が入ってくる。
「誰か止めてくれ!HRが出来ん!」
みんななにも言わない。止めてくればいいのに。その時、珊瑚が口を開いた。
「恵、行こう!」
「どこに?」
「二人を止めに!恥ずかしい…」
確かに恥ずかしいかも…。


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