投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

今日もどこかで蝶は羽ばたく
【ファンタジー 官能小説】

今日もどこかで蝶は羽ばたくの最初へ 今日もどこかで蝶は羽ばたく 58 今日もどこかで蝶は羽ばたく 60 今日もどこかで蝶は羽ばたくの最後へ

おまけ2 フェアトレード・エモーション*性描写-1

 *メルヴィンの日記より抜粋

 3月14日
 帝国会議終了。
 イグレシアス領より提出した「獣人雇用法」が無事承認される。
 獣人の完全解放にはまだ遠いが、一歩でも進んだことは確かだ。

 3月15日 
 宿舎から帰宅後、断られるのを覚悟でルビーに結婚を申し込んだ。
 あれほど緊張したのは、生まれて初めてだし、これからもきっと無いだろう。
 返事を待つ数分が、何時間にも感じた。
 なのにルビーときたら、「船のチケットが勿体無い」だと!?
 まぁ、チケット代を誰かの役に立てたいとは、優しいアイツらしい考えだし、慌てて返事をやり直そうとしている姿が、ものすごく可愛かったから許す。

 今まで忙しかった分、明日から五日間の休暇だ。

 3月16日
 朝、俺の隣りで起きたルビーは、寝惚け顔で驚いていた。どうやら昨日のことを思い出すまで、少し間があったらしい。可愛すぎる。
 もう一度押し倒したいのを必死に我慢し、いつもと変わらない振りをして起きたのに、ウォーレンとタバサには有頂天なのが早速バレた。
 一方でルビーは、着替え終わったら普段と本当に変わらない気がする。

 朝食後、両親に婚約報告の手紙を書いた。
 兄上たちには、ウォーレンが昨夜のうちに報告し、明後日はセオドア兄上が屋敷に来る。フランシスカからは、ルビーのドレス類を預かってきた。
 ルビーは今日から、ウォーレンとタバサに貴族の作法などを習う。
 俺は家を継ぐわけでもないから、公の場にはそう出なくて済むが、最低限の作法を知っておく必要はあるだろう。
 着なれないドレスで一生懸命お茶を飲む姿が、相変わらず可愛い。
 しかし、明後日は俺の婚約者として、セオドア兄上と会うんだと言ったら、とたんに緊張したようだ。手を滑らせ、茶を引っくり返した。

 夜。俺が夜着に着替えたら、ルビーは普通に「お休みなさいませ」と言って部屋を出て行こうとした。
 待て。
 どこに行くつもりだと聞いたら、キョトンとした顔で、自分の(小間使いの時から使っている)寝室だと答えられ、ショックだった。
 ……若干、ルビーと俺の温度差を感じるのは気のせいか。


 ************************************


 昨夜、ルビーはちょっと失敗をした。
 メルヴィンが寝るようなので、自分も部屋に引き揚げようとしたら、涙目で(しかもややキレ気味に)引きとめられたのだ。
 それでようやく、これから寝室はメルヴィンと一緒だと知った。
 しかも暗黙の了解とかいうその雰囲気を、屋敷で自分だけまるで気付いてなかったのが判明し、ややショックだった。

 明日の事を考えると、こういった空気の読めない失敗をしないか、気が重い。




今日もどこかで蝶は羽ばたくの最初へ 今日もどこかで蝶は羽ばたく 58 今日もどこかで蝶は羽ばたく 60 今日もどこかで蝶は羽ばたくの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前