溺れるジェノサイダー*性描写-3
激しく首を振り戸惑いを見せる。反応から察するに、慰み者といっても、苦痛ばかりでろくに愛撫も受けなかったのだろう。
あまり褒められない満足感が、背筋を這い登る。口づけながら顔をさげていき、濡れ光る柔肉に、そっと口づけた。
「みゃぁっ!?」
猫のような悲鳴とともに、ルビーが両手で砂色の髪を引き剥がそうとする。
半年間で丈夫になったとはいえ、人容では腕力も人間の少女とそう変わらない。
人容のルビーは、柔らかな細い黒髪以外、全体的に体毛が薄い。陰部にもほとんど無く、薄ピンクに染まった合わせを指で開けば、さらに濃く色づいた媚肉が露になった。
余り強くならないよう気をつけながら、ゆっくり舌を這わせる。
「あっ!みゃっ!みゃぁっ!やだぁ!」
「痛くないなら、いいだろう」
「で、でも……っ!!ふみゃぁ!!」
小さな亀裂に中指をさしこんでいく。とたんに内部の肉壁が指に吸いついてきた。
初めて会った日、眠っているルビーに指を吸われた事を思い出してしまう。
あの時よりも数倍可愛い反応に、顔がニヤける。
旅団の壊滅以来、そういった事をしていない時間がながかったせいか、最初は一本でもきつかった。
浅く埋めゆっくり抜き差しするうち、次第に溢れる蜜が量を増し、増やした指で奥をかき回す。
ルビーの呼吸が浅く早まっていく。両足がピンとつっぱり、内腿がブルブル震えだす。
充血し膨らんだ花芯を吸い、内部の指を強めに押し上げた。
「みゃああああ!」
爪先を強く踏みしめ、ルビーが身体全体を大きく反らせる。しなやかな尾がシーツを激しく叩いた。
「あ……」
クテリと脱力した身体を落とし、放心したようにメルヴィンを見上げる。
蕩けた目元に軽く口づけし、両足を付け根から抱えあげた。
とっくに張り詰めていた雄が太ももに擦れ、余韻にぼんやりしていたルビーが小さく息を飲んだ。
「ぅ……ぁ……」
深紅の瞳に、かすかな怯えがゆらめいていた。
予防接種やピアスの穴あけに脅えていた時と、同じ表情だ。
体内に差し込み苦痛をもたらす異物を見る眼。
「ルビー、愛してる」
額をあわせ、怯える視線を捕らえて告げた。
「う、あ……あいしてる……だいすき、メルヴィンさま……だいすき……」
必死で繰り返すその言葉は、自分へ言い聞かせているようだ。
震えている唇を塞ぎ、深く口づけながら片手を黒髪へ差し込む。獣耳の付け根をゆるやかに撫でた。
「ん、んぅ……」
重ねた唇の合間から、心地良さそうな呻きが漏れ、強張った体から力が抜けていく。
手さぐりで濡れそぼった秘所に先端を押し付けると、濡れ音を立てて媚肉が吸い付いてきた。
「ふ、うぅぅ……」
反射的に身をよじろうとするのを許さず、細い腰を抱えあげ深く突き入れる。
「んみゃぁあ!!!」
ルビーが喉を反らし、外れた唇から悲鳴があがる。
酸素を求めるように大きく開いた口から、ピンク色の舌を突き出し、ビクビクと全身を痙攣させる。
柔らかそうな喉首に、小さな舌先。
――喰らいつきたい。
肉食獣じみた欲求が込み上げ、無防備な喉元を甘く噛んだ。
「あ、ああ……ん……みゃ……」
人間よりざらつきの多い膣壁が、奥へと引き込むように蠢く。予想以上の快楽に、メルヴィンは息を吐いた。
尾を潰してしまわないように腰を抱え上げ、更に深く埋め込んでいく。最奥に突き当り、子宮口の窄まりが、先端にまた吸い付いた。
獣人の頑丈さも、ルビーが手酷く扱われていた事も承知しているのに、小柄で華奢な身体を、壊してしまいそうで心配になる。
「んあ、あぁ……」
おずおず伸ばされた両手が、背中に回される。
「あぅ、ぅ、いたくない……あつくて……はぁ……メルヴィンしゃま……」
上手くまわっていない舌で。うわ言のように切れ切れに訴える。
「メルヴィンしゃま……だいしゅき……きもちいい……」
もう何度目かに理性が吹き飛び、埋め込んでいた腰を引き激しくまた突き入れる。
「俺も気持ち良い、ルビー……大好きだ」
我を忘れ、夢中で貪った。愛しすぎて息もできないほど、ルビーに溺れる。
これほど似通った外見なのに、獣人と人間はいくら交わろうと、子を成す事がない。そんな事を頭に浮かべる余裕もないほど、ルビーを欲していた。
何度もあがる嬌声の中、きつく絞りあげる胎内へ果てる。
ひくひく蠢く内部が、合いあわれない種の精を受け止めていく。
「……大丈夫か?」
汗に濡れ張り付いた前髪を払いながら、顔を覗き込む。
荒い息を繰り返し、ルビーは硬く目を閉じていたが、やがて潤んだルビー色の瞳が薄っすら開き、メルヴィンを愛しそうに見つめた。
ゆっくり上がった両手が首に回される。
素早く頬にちゅっと口づけ、ルビーは真っ赤になった顔を背けた。
思わず頬に手をやり呆然とした後、ルビーに覆いかぶさり要求する。
「もう一回くれ」
もちろん貪欲な人間が、その可愛い口づけ一回で満足できるはずもない。
愛くるしい獣人少女が息も絶え絶えになるまで、貪り要求し続けた。