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性愛交差点
【その他 官能小説】

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性愛交差点-9

 風呂から上がると冷えたビールが用意されてあった。
「お義母さん、ありがとうございました。おかげでさっぱりしました」
信彦の言葉に美佐子の頬がぎこちなく弛んだ。
「小枝子に怒られちゃうかしら。内緒にしてね」
伏せた目が恥じらいに揺れていた。

 しばらくして和室から寝間着に着替えた美佐子が出てきた。どことなく表情が硬い。
「お布団敷いてありますから。疲れたら先に休んで……」
風呂場に向かう美佐子を目で追いながら、信彦は複雑な昂奮に戸惑っていた。

 彼女の行動をどう受け取ったらいいのか。いきなり浴室に入ってきて背中を流す。ただそれだけのことと考えるのはかなり無理がある。ならば誘っている……。今夜の美佐子の様子からみればその方が当たっている。だが、義理とはいえ親子であり、小枝子の母親である。齢も六十を過ぎている。
 わかりきったことを頭で区分けしながら、情念が赤々と顔を出してくる。
(もし勘違いだったら……)
妙なことをしたら大変なことになる。……

 自制を促す小さな抵抗を下着を突き上げる圧力が押しやって、理性が不条理と絡み合った。二人きりの夜が感情を高ぶらせていた。
(確認だ……背中を流すだけだ……)
信彦は気持ちを決めて立ち上がった。

 脱衣所で下着一枚になる。湯音はきこえない。彼は声をかけた。
「お義母さん、背中流しますよ」
返事はない。聞こえているはずである。信彦は構わず扉を開けた。

 浴槽に浸かった美佐子が顔をそむけたのは彼の股間が目に入ったからだと思う。下着を突き抜けるほど勃起している。
「背中、流しましょう」
「だって、悪いわ……」
「ぼくだってしてもらったんですから。お返しですよ」
「でも、恥ずかしい……」
顔が赤く火照っているのはビールのせいばかりではないだろう。
 全裸で湯船を出るのが恥ずかしいのかと思い、信彦は勢いよくパンツを脱いだ。
「あ……」
びっくりした美佐子の顔。
「ぼくも裸ですよ」
美佐子の腕を取った。

 湯の中から小枝子よりも豊かな乳房が滴をしたたらせて現れた。
(ほう……)
腹部にたるみはあるものの、とても年齢には見えない。信彦は異様なときめきとともに裸身に目を奪われた。肌の艶だってなかなかのものだ。
「恥ずかしいわ……」
胸を隠そうとするも信彦に両腕を掴まれているので身を捩ることしかできない。それもフラダンスのように腰を振るだけだからデルタもさらけ出されたままである。けっこう繁みは濃い方だ。
「ぼくも裸なんですよ。同じです」
引き寄せた拍子に亀頭が美佐子の腹に触れる。
「あ、あら……」
よろける体をしっかり抱きとめた。ペニスが美佐子の下腹部に密着して、そのまま唇を合わせた。
「うぐ……」
崩れそうになる美佐子の尻を抱えた。
「あう、だめ」
言いながら彼の肩から首へと腕が回ってきた。
「信彦さん、いけないわ。小枝子が、小枝子が」
「二人しかいません。わかりませんよ」
「だって、もし……」
「二人の秘密です。いいでしょう?」
尻のクレバスに指先を差し込んだ。美佐子は顎を反らし、
「ああ……言わないでね……」
「言いません。絶対に」
(言えるわけがない……)
意味のないことを口走るほど思考力は乱れている。
 信彦はふらつく美佐子を抱え、バスタオルで体を被うともつれるように寝室に入った。


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