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飼育
【ロリ 官能小説】

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その(2)-3

 やせ細っていた体にほんのり脂が乗ってくると若い肉体は眺めているだけで愉しいものだ。柔らかさをまといながら引き締まった伸びやかな肢体。大人にはないスリムな曲線、眩しい肌。
 折しも季節は初夏である。カナを連れてデパートへ出かけた。うきうきと心が弾む。
レディースのテナントを次々と回り、
「好きな服を買っていいよ」
言いながら山野の好みになった。手脚が露出するもの、体の線がくっきりあらわれるシャツ、やや透けて見える白地のものが多くなった。
(エロチックな天使……)
部屋で着せて楽しむのだ。
 一方で正反対の肌を隠す地味な服も買った。
「外へ出る時はこっちを着るんだよ。日に焼けないようにね」
肌はやはり白い方がいい。が、本音は彼女の肌を誰かに見せたくなかった。出来るだけ男の目にさらされないようにしたかったのだ。

 カナの体は今にも飛び立つ輝きがある。若さが匂いたってくる。熟す直前の美しさが新鮮な刺激を彼にもたらしてくる。どろどろと成熟した肉体を魅力的とは思えなくなっていた。それはたぶん友紀子との生活が心の向きを変えてしまったからだと山野は思っていた。そしてその想念の方向は本来彼が安息を得る在り方のような気がした。
 淫靡は仄かに隠れている方がより扇情的になる。山野はカナの姿態をを眺めながらそんな気持ちを抱いていた。

 昼間彼女が何をしているのかわからない。どこかへ出かけているかもしれないし、誰かに電話しているかもしれない。山野は何も訊かなかった。むしろ自由にしていいとくどいくらいに言い含めた。
(帰った時にいてくれれば……)
寛容に振る舞いながら内心は束縛によって彼女を失いたくなかったのである。

「友達、いるんだろう?」
「何人かは」
「会えばいいのに」
「うん。でもケータイないから連絡とれないし」
山野が一番気になっているのは家のことだが、そこには触れなかった。
「ケータイ、買ってあげようか」
「ほんと?」
しかし、一瞬輝いた顔もすぐに首をかしげて曖昧になった。
「メルアドもわかんないし、使えないわ」
「そうか。どこかに控えてないの?」
カナは首を振った。
何だかほっとして微笑むと、どう解釈したのか笑みを返してきた。

 他にも気になることがある。マンションの住人の目である。誰とも個人的な付き合いはないから踏み込んでくる者はいない。せいぜい顔を合わせれば会釈をする程度である。だが山野にはわからない友紀子と交流のあった主婦もいるかもしれない。先日カナが買い物から帰った時に隣室の奥さんと出会って挨拶をしたと聞いて不安に駆られたのだった。その家は若夫婦で共働きのようだから滅多に顔を合わせることはないし、入居してまだ半年しか経っていないので友紀子のことも知らない。だから心配することもないとは思うのだが、若すぎるカナを見てどう感じたか気にはなる。親しくないだけに妙な憶測を拡げられると困る。……

「隣の人、何て言ってた?」
「こんにちはって言っただけ」
常識的に考えてカナは妻には見えまい。
「カナちゃんのこと、どう思ったかな」
「さあ、どうって……」
大人びた表情で小首をかしげた。
「訊かれたらどうする?」
「何を?」
「誰かに、あなたはどういう関係って」
カナは考える風を見せてから、
「ともだち、かな」
「それは変だよ」
「そうかな」
「だって齢がちがいすぎるよ」
「そういうともだちもあるでしょ」
「でも一般的にはおかしいよ」
「じゃあ、恋人でいいよ。あたしおじさん好きだし」
「もっと変だよ。変に思われるよ」
言いながら恋人と言われてぐっとくるものを感じた。山野はカナを胸に包み込むと項にキスをした。
「おじさんがいいかな。親戚のおじさん」
「おじさんか。いままで通りだね」
ふと可笑しくなったのは『親戚のおじさん』と言いながらカナにキスをしている自分に気づいたからだった。
 カナの顔が火照ってきて腕が巻きついてきた。
「感じてきちゃうよ」
日に日に体の感度は増している。潤いも確実に多くなって、『女』としてのカナを実感し始めていた。


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