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輪切りの才能
【SF 官能小説】

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玄関をめざせ-1

しくしく泣く灰原の涙を拭いてあげて
「泣き止んだかな? 涙で可愛い顔がぐしゃぐしゃだよ、お風呂はいろうか」
僕の優しさが伝わらないのか灰原は返事をしない。
繋がっている下半身から灰原を抜いて床に寝かした。
風呂場に向かい、鼻歌まじりで昨日のお湯を捨ててから掃除して、風呂自動ボタンを押した。
勢い良く出てくる暖かいお湯が溜まっていくのを確認してから風呂場を出ると、
前の廊下に灰原が芋虫のように移動していた。

「あれ? なんでここにいるの?」
灰原は悔しそうな顔で床をみている。
「もしかして手足無くて素っ裸で逃げようと思ったの?」
床に顔を伏せてる

「すごいね、玄関まですぐだよ、お風呂沸けるまでに逃げられたら、お家に帰っていいよ」
聞いた灰原は驚いた顔で僕を見て「いいの?」と聞いてきた。
「いいよ、僕は灰原の逃げる映像を録画しておくね、頑張れよ灰原」

灰原は聞いた途端、必死で前に尺取虫の様に進む。
僕はビデオをセットして真後ろから録画した。
灰原の性器から白い僕の精子が所々に垂れて、本当に大きな虫みたいだった。

お湯が勢い良く出る音が灰原を急かしたのか、意外にすぐ玄関にたどり着いた。
目指すは丸いドアノブの先端のロックだ。
「時間がないぞー」と焦らせると、
灰原は全身を使ってドアを登ろうと必死だ「はぁはぁ」言って喋らない。
全裸なので胸や股などが砂がついて汚れているが、気にしていないようだ。
必死の灰原を見ながら、僕は自分の物をしごいていた。

苦労して、ようやく登りドアノブのロックが目の前にある、
灰原の目がロックの部分を見ている。
焦らず顔を使ってドアの先端に移動していく、
しかし、運悪くバランスを崩して倒れてしまった。
「きゃあ!……いったーい」
靴がクッションになり頭は打たなかったようだ。

「大丈夫か灰原」と、しごく手を止めないで掛け声をかけてあげた。
「もう少しなのに、もう少しなのに」と繰り返しながら、またドアを登りを始めた。
再び、ドアノブに近づき、今度は体を固定させて顔を離して直接ロックにかぶりつくようだ。
気合を入れて、離した顔をロックに近づける、すごい、いけそうだ。
と思った時に、またバランスを崩してしまった。

しかし、倒れかけた時に顔をドアにこすりつけて途中で止まり、完全に倒れるのを止めたのだ。
「すげー」必死の灰原にBGMをつけてあげたくなる。

「ん〜 帰りたい、帰りたい、そこなのに、そこなのに」ガタガタ登り、体をドアに密着させると
今度はロックにかじりついた。
「キター がんばれー灰原」
歯をむき出しでドアにかじりつく灰原は、せっかくの可愛い顔が台無しだ。
ギリギリと聞こえて来そうな歯ぎしりでロックをまわす。
カチャリ

ドアロックが外れる音がする。
「やった」歯で噛んだまま喜ぶ灰原、
後はドアノブをまわすだけだ。
灰原は大きな口を開けてドアノブにかぶりついたが、体重がかかって上手く回せないらしい。
「まわれ、まわれ、まわれ」と言いながら顔を横に倒す。
後ろから見ると、細長い肌色がまっすぐに伸びて、ショートの髪の毛が左右に揺れている。
努力の甲斐あって、留め金が横にゆっくり移動していき、
とうとう、外れてしまった!「ガチャ」
灰原の目がこれ以上無いくらい輝いて喜びに満ちている。

でもドアが、開かない。
「おしいね〜灰原」ドアを止めた僕の手を見て驚く灰原、
その後ろで「お風呂が沸けました」と機械音がなった。
灰原は僕を見上げると
「開いたじゃない、お風呂が沸ける前にドアを開けたわよ」
黒く汚れた顔で怒ってる。

僕は彼女の腰に手を回すと「いや、一歩遅かったよ、頑張ったのにね」と優しく教えて、ドアから引き離した。
「いや、 戻さないで、いや、いや、いやああああああああ」
僕は、離れていく玄関に叫んでいる灰原を担いで風呂場に連れて行った。


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