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コスプレイヤー痴獄堕ち
【調教 官能小説】

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恭介とマドカ-3

 恭介が予約を入れていたその店は創作和風料理が売りの居酒屋で、料理は当然の事ながら、薄暗い店内に小さく区切られた半個室のテーブルが並ぶ、隠れ家的な構造が売りだった。テーブルの幅は狭く、向かい合わせに座ると否応無しに膝と膝が触れあってしまう程しかない。通路とテーブルの境には藍染ののれんが下げられていて、外から中の様子を伺うことは出来ないように工夫されていた。
 案内されたテーブルについて、最初のドリンクを注文すると恭介が言った。
「恭介、でいいよ。ハンドルネームっていうの?それで呼ばれるの、慣れなくってさ」
 苦笑いして見せると、<Rin>もつられて笑顔を見せた。
「恭介…さんは、どうして<QB>さんだったんですか?」
「本当はキュービーじゃなくてクォーターバックね。アメフトのポジション。っても、女の子じゃアメフト解んないかな。アメリカで人気のスポーツなんだけど…」
「解りますよぉ。っても、マンガで知ったんですけど…」
「マンガ?ああ、そういやあったな…」
 言われて恭介は思い出したが、人気の漫画雑誌で連載していたアメフトのマンガがあった。少年向けのマンガだが、女性の読者も多い。美樹、恭介の元カノも自分が買って部屋に置いていたのを読んでいたっけ。確か、忍者もののマンガが彼女のお気に入りだったっけ…。こんな風に逐一美樹の事を思い出してしまうのだろうか、と恭介は可笑しくなって、自嘲の笑いが出してしまう。
「やっぱり、おかしいですか…。マンガ読んでるの…」
 恭介の笑う意味を理解できない<Rin>が言う。
「いや、そんなことないよ。誰でも読んでるし。…うっかり忘れてたなって思い出して、それで…」
 気まずさを取り繕ったところで、トレイを抱えた店員がのれんから顔を出した。恭介のビールと、<Rin>が頼んだカシスオレンジがテーブルに並ぶ。
 恭介のオーダーを聞き終えた店員が姿を消し、再び二人きりになる。
「それじゃあ、乾杯」
 互いに手にしたグラスを鳴らす。ビールを半分ほどまで一気にあおって、恭介が言った。
「<Rin>ちゃんは…」
「はい?」
「どうして<Rin>なの?いや、初対面で言いたくなければ良いんだけど…」
 自分の我侭とはいえ、こちらは本名を名乗ったのだから相手のそれも聞いておきたかった。<Rin>はグラスを抱えたまま少し迷うそぶりを見せたが、再びカシスオレンジを口に含んで、それを飲み下すと恭介に向かって語りだす。
「本当は、<Ring>なんです…。輪っかの、リング。名前が<マドカ>だから、それで…」説明をしながら、グラスに浮かぶ水滴でテーブルに<円>と文字を書く。
「へえ…。じゃあ、マドカちゃん、って呼んでも良い?どっちでも、好きなほうで呼ぶけど」
「えっと……。マドカ、でいいです。はい、それで…」
「マドカ、ね。オッケ、了解。それじゃあもう一回乾杯しようか、今度は恭介と、マドカで」
 早速教えてもらった下の名前で呼び捨てにすると、恭介はもうほとんど空になっているビールのジョッキを差し出した。言われるまま、マドカはそれに合わせ、チン、と涼やかな音が再び二人の間で響いた。


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