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少しずつ
【青春 恋愛小説】

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少しずつ-3

なんだそれは。
つれないんじゃなくて、うまく話せないの!

「は?違うよ。私女子高だし、恥ずかしいんだもん。緊張する
んだ。」

「かわいいとこあんなー。俺の連れ、お前のこと知ってたから
、俺も何だか恥ずかしくなって声かけれなかった。ごめんな。


「へ?」

「へ?ってなんだよ。お前、とっつきにくいんだか隙だらけな
んだかはっきりしろ。俺は普通に素直な人だと思ったんだけど
な」

「私だって、普通に話したいけど、普通に話せる人が少ないん
だもん。男の人では。」

「じゃ、俺は普通に話せる人、ってことか」

その瞬間、店に移動しますー、と先輩の声が。

「あ、ごめん。聞こえなかったからもっかい言って」

「いわねー。聞いてないお前が悪い。ばか。」

なんなのよー!

「そーだ、私名前知らないの。教えてくれない?」

「あれ、言ってなかったんだ。岩村浩太。」

「コータ。そうだね、コータって感じだね。」

「何だそれ、意味わかんね」

「さ、行こうか。うちらをお酒が待ってるよー。」

「こいつ、ばかか。」

あぁ、何かはじまらないかな。


3.
意外と、マネージャー業って楽しい。用具の管理やら、裏方の
仕事って意外とたくさんあって結構疲れるんだけど、こういう
単純作業って向いているのかもしれない。
それに、サッカーをしている選手の動きを見ているのは本当に
楽しい。ルールもあまり分からなかった最初の頃でも、力強い
選手の動きに目が離せなかった。
ぶつかり合う体にびっくりし、器用な足さばきに感動し。

「おつかれー」

「おう。」

「男の人って、すごいよね!あんなに早く走ったり、ボールが
あんなに遠くにぽーんて飛んでくんだよ!」

「当たり前だし。とりあえず、日焼け止め貸して。」

私たちは、サークルの合間などに会話を交わせる仲になってい
た。
でも、なんだか、そっけないんだよなー。他のマネージャーと
はよくご飯食べたりしてるみたいだけど、私は全然誘われない


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