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惚れ薬
【その他 官能小説】

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人妻液垂れ(2)-1

 呼吸が安らかになって弛緩していく奈々枝の体に密着していると体温や肌の感触だけでなく、体内の臓器や血流までもが伝わってくる気がする。
 ペニスを引き抜くと、白い液が盛り上がって流れ出た。改めて全身を眺めると、太もも、腰回り、胸、いずれも豊かな艶やかさが溢れている。沙織にはまだ備わっていない熟成された大人の『コク』といおうか、『味わい』とでもいったらいいか、
(やっぱり大人だ…)
深い満足を覚えていた。
 奈々枝は精根尽き果てたように大の字になったままだ。
(とにかく、いい思いをさせてもらった…)
モノにした達成感に思わずほくそ笑んだ。
 しかし、奈々枝はまだ燃焼し切ってはいなかったのである。

 シャワーを浴びていると、眠っていたはずの奈々枝がふらりと入ってきた。
「こんなとこにいたの。一人で来ちゃだめじゃない」
酒に酔ったみたいに目が座っている。
「あたしも洗ってよ」
股間を堂堂と晒して俺にすり寄ってくると、やおらペニスを掴んできた。
「おちんちん…」
「まだ無理…」
「いいの。触わりたいの」
肩から背中、胸とお湯をかけて汗を流してやる。
「ここも」
膝を曲げて股を開いた。
「洗って…」
甘えた口で言う。
 割れ目は精液と淫液でぬるぬるである。シャワーをあてて掻き出すように洗った。
「ああ、ズキズキする」
「痛い?」
「ううん、感じるのよ」
腰砕けになって抱きついてきた。
「舐めさせて…」
マットに膝をつくと、かぽっと音を立てて吸い込んだ。まだ勃起はしていない。含みながら袋を揉み、尻を撫でてくる。任せているうちに体の奥から灯のような快感が生まれてきた。
 いったん口を離した奈々枝はまじまじとペニスを見つめてから俺を見上げた。
「こうじゃないとね…」
「?……」
亀頭の皮を動かして溜息をついた。
「主人ね、皮被ってるの。…全部…」
奈々枝は怒った顔をして言った。
「だから、あたし、満足したことないの。結婚してからイッタことないの…」
そう言うといとおしむようにふたたび銜えた。

 ベッドに戻ってからも奈々枝はペニスに固執した。口づけの時も、俺が乳首を舐めている時も、手を伸ばして揉み続けていた。
 さすがに兆しが見えて漲りはじめると、奈々枝は問わず語りにぽつぽつと話し出した。内容は夫婦の閨房にまで及び、羞恥心はおろか、理性もどこかに置き忘れたようであった。
 奈々枝は結婚前にそこそこの男性経験があったという。
「初体験は短大の時。勤めてからは上司と。長かったわ。不倫だけど…」
安田とは見合いだった。結婚が決まって初めてホテルへ行くまで半年かかった。服も脱がないまま抱きつかれてベッドに組み敷かれ、キスの嵐。ぶつかってくるようなぎこちないキスだった。荒々しさに驚いたが、胸をつかまれて感じてしまってしがみついた。
「うう…」
間もなく呻いたのは安田の方で、掴んでいた手が胸から外れて急に起き上がった。
(何?…)
安田は不自然な笑いを浮かべて、
「へへ、やっぱり風呂に入った方がいいね。ぼくが先に入ってくるよ」
そう言ってそそくさとベッドから出ていった。
 ごまかしたつもりだったのだろうが、男を知っている奈々枝にはピンときたという。すでに射精していたのである。独特の生臭い臭いが微かに漂った。
 その後再度試みたが、結合前に果ててしまった。
「感じちゃったよ…」
ばつが悪そうにティッシュで拭う安田。そのペニスを垣間見た時、少なからず驚いた。先端が完全に皮に被われていて、ミョウガのような形をしていたのである。過去に何度も含んだことのある男の物とは明らかに異なる形状。……
(包茎…)
知識はあったものの現実に目にするのは初めてだったし、夫となる男がそうであるとは想像もしなかった。

 (このままではセックスがうまくいかないと何かで読んだことがある…)
手術する人もいるらしい。不安が過った。しかし、心配ではあったが、勃起しないわけではないので何とかなるだろうと楽観的に考えた。
 セックスをしていくうちに治るのかもしれない。それに彼の様子を見て、自分が初めての女であると思われたのでそれがとても嬉しかった。
(あたしがこの人を男にするんだわ…)
不満よりも奥手で純情な安田に愛しさを抱いた。
 後日結ばれたものの、それはあまりに呆気ない交合であった。おそらく挿入開始と同時に射精が起こったものと思われる。体を預けてのしかかった時には呻き、痙攣を感じた。
 一つになったことで安田は満ち足りた顔をしていた。
(童貞を棄てた…)
内心その歓びに溢れていたことだろう。
「あたしもその時は嬉しかった…」
噴射を受けて、感じた。少しだが、ぽっと炎のような感覚が体内を吹き抜けていった。
「体が燃えたんじゃなくて、気持ちだったと思うの」
しかし、何度か繰り返すうち、男を知っている肉体はだんだんと燻ってきて、悶々とするようになっていった。


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