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中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

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男性恐怖症-3

翌日、私と千恵子は待ち合わせ場所へと向かった。
到着するとタイミングを計ったかのようにBMWが停車し、左の運転席から坂井が出て一礼してきた。
「おはようございます。政夫様、千恵子様。どうぞこちらへお乗り下さい」

私と千恵子は坂井に言われるままに後部座席に乗車した。車内には坂井の他、右の助手席に中道が座っていてにっこり微笑んでいる。
「おはようございます、政夫さん。はじめまして、千恵子さん。今回はお時間頂きありがとうございます」
中道と対面した千恵子は、何か可愛い子供を見るような眼差しを送り、私と共に挨拶を交わした。
その後「では参ります」と坂井が言いアクセルを踏んだ。
目的地へは20分程で到着した。そこはどちらかといえば、医療というよりもリゾート施設という外観だった。磨かれた石のような白壁と僅かにブルーの入った大窓が隙間なく横に並んでいるところがキレイだ。私達4人は入館して歩いて行く。館内もとても開放的だ。千恵子が言う。
「医療施設だと話を伺ってましたので、何か想像してたのと全然違ってました。良い意味でビックリです」
「ええ、こういった演出も大事ですから」
中道はにこやかに応答する。そして、4人はエレベーターで8階まで上がり、検査室の前で止まった。
「ここからは千恵子さんお1人でご入室を」
「そのまま入っても大丈夫なんですか?」
「はい、院長には話してあります。きっと楽しめると思いますよ。では」
そういって中道は、坂井と共に私を連れて病院を後にした。坂井は私を自宅まで送った後、千恵子も責任を持って送ると約束してくれた。



夕方…

「ただいまぁ」
千恵子が帰ってきた。
「どうだった?」
「それがね、すっごく面白かったの。学生時代に戻ったみたいで、ショッピングに出掛けたり、映画館へ行ったり、海へ行ったり」
「何だそりゃ?」
「勿論、CGで作られたバーチャルな世界よ。でもそれが現実と変わらないリアル感があるの」
「それって変なゴーグルとか装着してやるゲームみたいなものじゃ?」
「それがね、何もつけないの。検査室に入った途端にそうなったの。信じられなかった。でも楽しかった」
「それは良かった。で、次はいつ行くんだ?」
「あっ、そうだ。すっかり夢中になって次の予定日聞くの忘れてた」
ううん、参ったなぁ。まあとにかく、中道にでも聞いておくか。検査結果も気になるしな。



中道深夜探偵事務所…

「それは本当ですか?」
私は中道から返ってきた言葉に意表を突かれた。
「ですから、奥様の男性恐怖症は、ほぼ完治しております。確かに、奥様の意識はそれを認めようとしないかも知れない。しかしながら、潜在的には何も問題ないという結果が出ました」
「じゃあ、私達の関係は」
「ええ、そのうち…」
「本当に?あ、ありがとうございます。では、お金をお支払いしないと」
「報酬は結構です」
「どうしてですか?」
「検査は無料だと申し上げましたので」
中道はニヤリとした。


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