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中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

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男性恐怖症-1

政夫36歳
■男性恐怖症

夜も寝静まった頃、政夫は部屋に閉じ籠っていた。
照明は消灯し、辺りは真っ暗闇だ。灯りといえば机上にあるPCの画面くらいだったが、政夫はそれを食い入るように見ていた。
PC画面には何枚かに分けられた女性の画像があった。それでも、18禁に引っ掛かるような露出したものではなかった。
画像の大半は、山へ行ったり、花見に行ったり、旅行へ行ったりして、カジュアルな服装をした女性が笑顔を振り撒いている。中には水着の画像もあったが、それでも大人しめのワンピースだった。
が、それらの画像には1つだけ共通点があった。全部同一人物のものだったのだ。36歳の政夫と同い年か、少しだけ年下という感じに見える。派手さはないが、知的でしっとりとした感じのする女性だ。

私は今晩もPCの画像をオカズにしている。部屋には鍵を閉め、室内の電気を消して暗くする。
「千恵子…また逢えたね」
私は画像の女性に向かってそう呼び掛け、パンツの中に手を入れる。千恵子…今日は海だね。日に焼けた小麦色の肌がキレイだよ。君だってそう思うだろ。画像の君は「ふふっ」と笑う。千恵子はいつも私に微笑んでくれる。それだけで十分だよ。千恵子…好きだ…千恵子…
ああ…千恵子が私を見て笑っている…ワンピースでも千恵子の水着は眩しくて…髪に飾った花のカチューシャが可愛くて…健康そうな小麦色の肌まで…ああ千恵子ぉ〜千恵子ぉ〜まだサヨナラはいやだぁ〜もっと一緒に居ようよぉ〜。
はぁっはぁっ、ダメなのかぃ千恵子〜…そうかぁ分かったよぉ…千恵子がこっちを見て笑っている〜…あああぁぁぁ〜ち・え・こ…



またやってしまった。

パンツの中に白い液体が入っている。暗闇の部屋に虚しさだけが残った。
私は部屋を出て、浴室のシャワーでパンツと私の下半身を湯洗いした後、再度部屋に戻った。



翌日…

「あなた、おはよう」
「ああ、千恵子おはよう」
「朝ごはん出来てますよ」
「ありがとう」
千恵子は私の妻で31歳。これでも私達は新婚である。社内恋愛でね。その後、千恵子は会社を辞めて専業主婦になり、私を支えてくれている。炊事・洗濯、何だって出来る。
私はそんな千恵子が大好きだ。休日はいつも2人して何処かへお出かけ。夫としての細やかなサービスというところかな。私は千恵子の喜ぶ顔が見たいのだ。
「じゃあ、行ってくるよ」
「はぁ〜い、あなたぁ〜行ってらっしゃ〜い」
千恵子は笑顔で手を振りながら見送ってくれる。

だが、千恵子には1つだけ悩みがあった。それは夜の営み…いわゆるセックスに対して拒絶反応があるということ。
何でも、中学2年生の時に暴漢に遭ってから、それがトラウマになって男性嫌いになってしまったらしい。だから、私が千恵子と恋愛関係になり、所帯を持てたのは、ほぼ奇跡に近かった訳だ。
千恵子のことは色んな人に相談した。しかし、帰ってくる答えは、どれも「気長に待つしかない」でしかなかった。

何とかしてやりたい…


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