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蛇に睨まれた蛙
【フェチ/マニア 官能小説】

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龍一の回想2-1

俺と島田は何事も無かったかのように会話を交わしている。昨日の回想シーンだ。
「そうか、じゃあ君にとっては念願の童貞を捨てられたし、彼女も出来た訳だし、良いことばかりじゃないか」
「ところがだなぁ、そうでもないんだ」
「他に何かあるのかい?」
「まあな。問題点もあるんだが、それにしても何で水樹さんは俺達を見逃してくれたのかが謎だ」
「僕が思うに、水樹さんは君のことを好きだったからじゃないかなあ」
「おいおい島田、悪い冗談はよせよ」
「いや、水樹さんにとって君は本命だった。下僕でも何でもなく。だから内藤を使ってでもレディースから君を護りたかった。そう考えるのが自然じゃないかな」
「そりゃあ買い被りすぎってもんだ。もしも水樹さんが本気で俺なんかを好きになっていたらムチで叩いたりなんてしないだろ」
「実は愛のムチだったりして。ハハハ」
「じゃあな龍一。また休み時間にでも」といって島田は後にした。

水樹さんとはこんなやりとりがあったんだ。
「龍一くん、彼女とは上手くやってるの?」
はい、お陰さまで。水樹さん、こないだはありがとうございました。
「いいえ、私も十分楽しめませて貰ったから。あの時、聡美さんに言ったのよ。君を解放してほしいのなら、その代わりにレディースを解散して貰うという条件つきで。おかげで此方も女の子が3人も手に入ったし、内藤にも彼女が出来た」
内藤の彼女…多分、理沙のことだろう。
「ところで水樹さん、ひとつ聞いていいっすか?」
「何かしら?」
「水樹さんはどうして姫って呼ばれてるんです?」
「ああそれね。単なる女王様と下僕の関係って随分とクラシックでしょ。だから、私そういう堅いの好きじゃないの。そうね、私のところでは城をイメージしてお姫様と家来のような関係かしら」
あんまり違いはないと思うがね。
「という訳で、またいい話あったら教えてね」と水樹さんは後にする。
ある訳ねえよ。ってか、あってたまるか。

確かに一件落着したかに思える。
しかし、俺の身体は相も変わらず聡美の支配下にあるのだ。要するにオイル漏れした車であることに変わりなく、蛇に睨まれた蛙状態はずっと継続中な訳だ。
いや、振り返ればそれが俺にとっての幸せだったのさ。聡美のほうもそうかも知れないしな。
それにしても、惜しいことをした。あの時、蛸を見た聡美が股間から漏らした聖水をなぜ拝借しなかったのか?
何てったって聡美様の聖水だぜ。ありがたく飲んでおけば良かったと俺は後悔している。あんなチャンスは滅多になかったからなあ。

とか何だかんだと言ってっているうちに、この話もラストになっちまった。まあその後のことは少しだけエピローグで語っておこうと思う。


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